春の合戦
転入生の乱
春の合戦〜転入生の乱〜

信子(のぶこ)
秀美(ひでみ)
康菜(やすな)
蘭 (らん)
光季(みつき)
玄ノ子(げんのこ)
ゆき 
戦国ヶ崎(せんごくがさき)
女子A・B・C・D

 教室のHR前。教室には秀美と康菜がおり話している。そこに信子が入ってくる。

信子 「おはよー」
秀美 「おはよー。ねえ、信子はあの話聞いた?」
信子 「え?なんかあったの?」
康菜 「今日、転校生が来るって」
信子 「まじ?えー、楽しみ。女子?男子?」
秀美 「男子らしいよ」
信子 「そうなんだー。どうせならかっこいい人だったらいいな」
秀美 「わかるー」
康菜 「かっこいい人だったら彼氏になってほしいー」
信子 「康菜、いっつもそれ言ってんじゃーん」
康菜 「だってこの学校かっこいい人いないんだもん」
秀美 「わかる」
信子 「ほんとそれ」
康菜 「あー彼氏ほしい」
信子 「あ。でも、彼氏ができてもうちらは友達だからね」
秀美 「当たり前じゃーん」
康菜 「BFFに決まってんじゃん」

 信子・秀美・康菜三人で笑いあう。
 舞台下手、蘭と光季にスポットが当たる。

蘭  「残念ながら、この友情は後の転入生紹介によりもろくも崩れ去ることとなる!」
光季 「そしてこの転入生の存在は、我が2年5組における第一次クラス女子大戦へと招く原因となったのであった!」
蘭  「申し遅れました、私はこのクラスの女子生徒その1、森川蘭」
光季 「私は女子生徒その2、明本光季。これから起こる出来事の説明をさせていただきます」
蘭  「話を戻して、時は5月の中旬。中間考査も終わって何とも微妙な時期。そんな微妙な時にやってきた転入生、それが戦国ヶ崎マモル!」

 舞台中央にスポットが当たり、戦国ヶ崎が後ろ向きに立っている。

光季  「この戦国ヶ崎くん、身長低め、勉強普通、運動音痴と一見すると普通の高校生。しかし、一つだけほかの高校生と決定的に違うところがある。それは……
     なんといっても顔がいい!」
     
 このタイミングで戦国ヶ崎が振り返る。
     
蘭   「顔がいい!それだけですべてが許される!そのレベルで顔がいい!」
光季  「これを見たクラスの女子のほぼ全員が一目ぼれ。彼に近づこうと虎視眈々と狙うハンターと化したのであった!」
蘭   「戦国ヶ崎くんが一言」
戦国ヶ崎「あ、消しゴムがない」
蘭   「と、言おうものなら!」

 舞台前照明。女子たちが3〜4人出てくる。

女子A  「私が!」
女子B  「私の!」
女子C  「いいえ、私のをつかって!」
女子D  「私を選んで、戦国ヶ崎くん!」
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