白湯じゃん
白湯じゃん
《登場人物》
夫:借金をしている
妻:白湯を出す
取り立て:白湯を出される
《台本》
(中央のスポットライト点灯)
(男が二人、畳の上で向かい合って座っている。下手側の夫は正座で俯き、上手側の取り立てはあぐらをかいて腕を組み険しい表情をしている。2人の間にはボロボロのちゃぶ台がある)
(全体照明点く、若干暗めに)
(上手から女が一人歩いてくる。彼女が持つお盆の上には、小さな湯呑みが1つ置いてある)
妻: ...白湯しか、お出しできませんが...
(取り立ての前に湯呑みを置く)
取り立て:(ドスの効いた声で)白湯......ねえ。
夫: ...お嫌い、でしたか?
取:ただ水を沸かしただけのモンに、好きも嫌いもねえだろ、おい。
夫:は、はい。
妻:すみません...
取:んな貧乏くせえもん、誰に飲ませようってんだ?なぁ?...おめえら、俺を舐めてんのか?
夫:い、いえ!決して...
妻:そんなことは...
取:(ちゃぶ台を叩いて遮る)だったらよぉ!ちったぁマシなもん持ってこい!
夫:すみません!すみません!お前、何か持ってきなさい!
妻:あなた、そんなこと言ったってうちにはもう何も...
夫:少しくらいは何かあるだろう!
妻:でも...
取:ゴッチャゴチャうるせえなあ...さっさと行けや!!(立ちあがって妻に手をあげようとする)
妻:ひっ!
夫:(立ちあがって妻をかばう)すみません!すみません!ほら、早く行きなさい!
妻:わ、わかりました!しょ、少々お待ち下さい!
(妻 お盆だけ持って逃げるように上手へ、湯呑みは回収しない)
取:チッ...(座る)
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