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伝説の剣

「伝説の剣」　　　　　池田景

登場人物
伝説の剣聖剣　／　店長
女勇者マロン　／　栗原
勇者真剣佑真　／　魔王　／　吉村
大崎

【１】
舞台中央、剣のように装飾された白髪の男が磔にされるキリストの様な姿勢で膝立ちし、目を閉じている。

しばし間。
上手から女勇者が入り、中央の男をみる。

女勇者「…え？」

男、カッと目を開き、女勇者を見る。

男「勇者か！？」
女勇者「え？」
男「勇者か！？」
女勇者「え…あ…えと…はい。勇者…です」
男「そうかそうか。名は何と言う？」
女勇者「名前…ですか…？」
男「本当の名前じゃぞ。嘘をつくでないぞ。本当の名前じゃぞ」
女勇者「…マロンです」
男「マロンか…そこそこのキラキラネームじゃな」
女勇者「はぁ…ってか何なんですかこれ！？」
男「ワシか？ワシは『伝説の剣』じゃ」
女勇者「伝説の剣…」
伝説の剣「そうじゃ。『伝説の剣』聖剣じゃ」
女勇者「それって伝説の剣なんですか？聖剣なんですか？」
伝説の剣「伝説の剣の聖剣じゃ！まぁ…ソフトバンクの孫正義みたいなもんじゃ！」
女勇者「分かりづらいな…。長いんで聖剣伝説とかよくないでs…」
伝説の剣「あかーん！」
女勇者「？」
伝説の剣「（神妙な顔で）…あかん！」
女勇者「？はぁ…よく分かりませんけど、分かりました」
伝説の剣「そんなことはどうでも良いんじゃ。女勇者よ……抱いてくれ」
女勇者「セクハラですか？抱いてくれって！てか抱いてって言うの普通逆じゃないですか、そもそも歳の差を考えt…」
伝説の剣「わー！待て待て！欲求不満か！ワシは抱いてくれではなく抜いてくれと言ったんじゃ！」
女勇者「えっ？抜いてくれ？」
伝説の剣「そうそう！ワシ、真の勇者にしか抜けない剣なの！伝説の剣だから！ワシ伝説の剣だから！真の勇者が来るの待ってたの！」
女勇者「真の勇者にしか抜けない伝説の剣……ああ！封印されてるってことですか？」
伝説の剣「そう！そう！そう！そういうやつじゃ！」
女勇者「…分かりました。抜けば良いんですね、抜けば」
伝説の剣「うむ。よろしく頼む」

女勇者は伝説の剣を抜こうとする。
しかし、なかなか抜けず、伝説の剣は右へ曲がったり、左へ曲がったりする。

女勇者「無茶苦茶曲がってますけど大丈夫ですか？」
伝説の剣「ああ、ワシ可変型なんじゃ。しかも形状記憶能力もあるんじゃ」

伝説の剣、定位置に戻る。

女勇者「あ、形状記憶。便利」
伝説の剣「そうなんじゃ、便利なんじゃワシ。伝説の剣じゃから。選ばれし剣じゃから」

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