創作落語『時ソバ』
創作落語 『 時ソバ 』 作:よしりん
《 口上サンプル 》 ※状況に応じて、適宜改編してください
えー、○○亭□□です。
お次はですね、ちょっと趣向を変えまして、「落語」で皆様に楽しんでいただきたいと思います。
演目は皆さまご存知の「時ソバ」です。
「ひぃふぅみぃ‥‥今何時だい?」ってヤツですね。
分かりやすくて面白い。落語の定番演目でございます。
ただ、このメクリを見てですね、
「あれ? 時そばってひらがなで書くんじゃないの?」って思った方もいるかもしれない。
まあ、それは見てのお楽しみということで。
さてさて。
分かりやすいとはいっても、やっぱり昔の話ですから、
どうしても知らない言葉や難しい言葉がでてきますので、先に説明しておきます。
まず、「行灯に屋号」って台詞が出てきます。
これはどういう事かといいますと、例えばコンビニに行くと看板が立ってますね。
この△△会場さまでも国道から見えるでっかい看板があります。
ただ、江戸時代はそんなものがなかった。
だから、看板の代わりに店先に行灯を掛けたんです。
で、行灯に店の名前や商品名、あるいは絵を描いたんです。
例えば、行灯に弓矢の絵が書いてある。
これ、何屋さんだかわかりますか?
これはですね、「弓矢を射る」→「弓射る」→「湯に入る」
‥ということでお風呂屋さんを表しています。
そんな風にですね、
お店の方は洒落をきかせて、お客の方はそれを理解するという粋があった訳です。
あと、「花巻」「しっぽく」って言葉が出てきます。
これは蕎麦の種類です。
「花巻」は汁蕎麦の上に揉み海苔を散らしたもの。美味しそうですね。
「しっぽく」は刻んだ野菜やら薄切りにした竹輪やらを載せた、具入りの蕎麦のことです。
「ああ、江戸時代の人はそういうものを食べてたんだー」という感じで思いを馳せると、
落語もより一層味わい深いものになるんじゃないでしょうか?
と、ウンチクはこのくらいにして、
そろそろ「時ソバ」一席打たせていただきます。
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語り 江戸時代、二八そば屋というのがあちこちにありました。
なぜ「二八そば」かと言うと、そば一杯が二八の十六文だったからです。さて、ある寒い晩のこと‥。
男 うう、寒いな。こんな寒い夜は、蕎麦でも食って暖まるに限るな。
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