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ラフ・ライフ（アナザーバージョン）

　　　ラフ・ライフ（アナザーバージョン）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作・新堀浩司

　　　　　　人物

小笠原薫（おがさわら　かおる）　　高校二年生　学級委員長
本山遥（もとやま　はるか）　　　　高校二年生　薫の友人
黒崎希（くろさき　のぞみ）　　　　高校二年生　薫の元クラスメイト
相馬弥生（そうま　やよい）　　　　高校二年生　生徒会副会長
柳沢達郎（やなぎさわ　たつろう）　高校三年生　生徒会長

　　　　　場所　とある高校のとある教室
　　　　　季節　九月の中旬

　　　　　　　　プロローグ

　　　　　　　　舞台中央にスポット。２人の高校生がいる。

２人　　「みなさんこんにちは！ラフ・ライフです！」
希　　　「これから漫才やらせてもらいます。ボケ担当の黒崎希です」
薫　　　「ツッコミ担当の小笠原薫です」
希　　　「薫さん。実は私、人生で成し遂げたいことが２つあるんですよ」
薫　　　「なんですか？」
希　　　「１つは幸せな家庭を築く」
薫　　　「いいですね」
希　　　「もう１つは、火星に到達する」
薫　　　「急に難易度高まりましたね」
希　　　「今日この場でどっちかだけでも実現させたいんですけど」
薫　　　「いいんじゃないですか？どっちやります？」
希　　　「そうですねえ、どうせならより難易度が高い方にチャレンジしたいので」
薫　　　「はい」
希　　　「家庭を築く方でお願いします」
薫　　　「あ、そっち？評価基準が独特ですね」
希　　　「何言ってるんですか？幸せな家庭を築くっていうのはすごく難しいんですよ？」
薫　　　「まあ、そうかもしれないですね」
希　　　「じゃあ私が可愛くて気立ての良い妻をやるので、薫さんはそれ以外をお願いします」
薫　　　「うわあ、すごくアバウトな役割分担だ」
希　　　「ねえお父さん」
薫　　　「な、なんだい？」
希　　　「今度の連休、家族旅行に行きたいと思ってるんだけど」
薫　　　「家族旅行？」
希　　　「ええ。子供たちも大きくなったでしょ？一郎、次郎、そしてサンドロヴィッチ」
薫　　　「約一名ネーミングおかしくない？」
希　　　「家族の絆を強くするには旅行が一番だと思うのよ」
薫　　　「まあ、そうかもしれないね」
希　　　「同じご飯を食べて、同じお風呂に入って、同じ部屋で眠ることで、仲良くなっていくんだわ」
薫　　　「その条件なら、旅行に行かなくてもクリアできそうだけどね」
希　　　「お父さん、家族旅行に賛成してくれる？」
薫　　　「ああ、いいんじゃないか。それで、行先はどこにする？」
希　　　「それは家に帰って夫と相談して決めるわ」

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