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君に聞きたいことがあるんだ

君に聞きたいことがあるんだ

　舞台には音無と国治がいる。

音無　こんなところに呼び出して、どうしたの？国治君。
国治　あ、あ、あの！音無さん！
音無　なに？
国治　……明日またここにきてもらってもいいですか！
音無　いいけど…。今じゃダメなの？
国治　ダメなんです！どうしても！
音無　そう…わかった。じゃあ明日またこの場所でね。

　音無、ハケる。

国治　……どうしようー！

舞台中央スポット

数則　さて問題です。国治君は音無さんにいったい何の話があったのでしょうか？……今
　　　ほとんどの人が想像した通りだと思います。そう、告白です。では次の問題。なぜ
　　　国治君は音無さんを呼び出したにもかかわらず告白をしなかったのでしょうか？…
　　　…緊張して告白の言葉を忘れた？それならまだよかったんですが、そうじゃありま
　　　せん。学年を代表するほどの馬鹿でおっちょこちょいな国治君はそもそも告白の言
　　　葉を考えないで音無さんを呼び出したからです。

明転。落ち込んだ状態の国治に数則が近づく。

数則　バカじゃねえの。
国治　バカです！
数則　知ってた。
国治　数則、おまえに聞きたいことがある。…なんかいい告白の言葉ない？
数則　普通に「好きです」でよくね？
国治　それじゃあ普通すぎるだろ。いいか、よく考えろ。俺と音無さんはあまり接点がな
　　　い。つまり音無さんは俺がどういう人なのかよく知らない。
数則　うん。馬鹿ってことしか知らないと思う。

国治　それなのに普通に「好きです」なんて告白してみろ。よく知らん人にそんなこと言
　　　われても全然ときめかない。
数則　一理ある。
国治　だからなんかいい感じのセリフで告ったらその場の雰囲気でＯＫくれるかなって思
　　　ったんだ。
数則　その場の雰囲気でＯＫもらっても続くかわかんないぞ。
国治　言質がとれりゃあいいんだよ言質がとれりゃあ。ＯＫをもらったもん勝ちよ。
数則　……音無さんのためにもお前は振られた方がいいと思う。
国治　そんなこというなよー！協力してくれよー！ジュースおごるからさー
数則　いや、別に協力するのはいいけどさ。なんか自分では考えたわけ？
国治　とりあえず参考資料はいくつか用意した。
　　　
　国治、カバンの中から大量の漫画を出す。

数則　参考資料って…漫画かよ。
国治　告白シーンが素敵と評判の漫画を集めてみた。
数則　どれどれ（漫画を一冊手に取りパラパラめくる）あ、これとかかっこいいな。
　　　「世界を敵に回してでも僕が君を守る」
国治　どれどれ…（数則が開いているページをのぞき込む）なるほど。数則。
数則　ん？どうした？

　国治、数則の手を取り片膝をつく。

国治　「世界を敵に回してでも僕が君を守る」

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