クリスマスのための童話劇 ヘンゼルとグレーテル
「クリスマスのための童話劇・・・ヘンゼルとグレーテル」
☆登場人物(登場順)
語り手(複数可。三人ぐらいいた方が良いかも)
木こり
まま母
ヘンゼル
グレーテル
白い鳥
お菓子の家の運びや達
魔女
※昨年、子供会などでのクリスマス劇用にということで作ってみましたが事情で上演できなくなりました。園児や小学生・中学生も交えて作るといいかもです。
※途中 簡単な歌を歌うシーンが何カ所かありますが、ここは是非みんなでわいわいと作ってこてください。大人の人に手伝ってもらってもいいですね。
※お話しの流れは原典にできるだけ沿って作っています。もちろん、どんどんア レンジして良いと思います。
�T黒い森
音楽。
語り手登場。肩に掛けたカバン。椅子を持ってきて座る。
語り手 皆さん、こんにちは。語り手です。今日は、昔々、海の向こうのヨーロッパの真 ん中に、黒い森という大変大きな、深い森があり、怖い魔女や狼の群れが生きて いて、人々はその森の縁でひっそりと貧しく暮らしていた、古い古い時代のお話 をします。
肩のカバンから一冊の本を取り出し開く。
語り手 題して、「ヘンゼルとグレーテル」。・・(読み出そうとするが)あ、ここではち ょっと邪魔になりますね。失礼。
と、舞台上手袖に椅子を持って行き、座り直す。コホンと空咳をして。
語り手 まずしい木こりの男が、大きな黒い森の近くにこやをもって、おかみさんとふたりのこどもとでくらしていました。男の子がヘンゼル、女の子がグレーテルといいました。ある年、国じゅうが大ききんで、それこそ、日日のパンが口にはいらなくなりました。木こりは、この先どうやってくらすかかんがえると、心配で心配で、ためいきまじりに、ある夜、おかみさんにいいました。
夜の明かり。
木こりとまま母下手より登場。登場しながら、
木こり おれたち、これからどうなるだろう。こどもらをどうやってたべさせていくすいくか。なにしろ、おれたちふたりの、くうものがないしまつだ。困ったなあ。
うつむく木こり。
まま母は、先回りしてのぞき混むように。
まま母 だからそ、おまえさん、いっそこうしようじゃないか。
木こり いい考えでもあるのかい。
まま母、にやりと笑って。胸をたたいて。
まま母 あるともさ。
木こり どんな。
まま母、少し声をひそめて。
まま母 あしたの朝早く、こどもたちをつれだして、黒い森のおくのおくの、深く深く木ぶかい所まで行くのさ。
木こり 黒い森へ。それで。
まま母 そこで、たき火をしてやって、めいめいひとかけずつパンをあてがっといて、それなりわたしたち、しごとのほうへ行って、ふたりはそのまま森の中においてくるのさ。こどもらにかえり道が見つかりっこないから、それでおしまいさ。
木こり そりゃあ、お前、とんでもない、いけないよ。そんなこたあ、おれにはできねえよ。こどもらを森ん中へおきざりにするなんて。
子どもたちの顔が下手袖に現れる。
木こり どうして、そんなひどいことかんがえるんだ。そんなことしたら、すぐに狼たちがやってきて、ずたずたに引き裂かれてしまうにきまってる。
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