冬の星を結んで
冬の星を結んで
作:いざきた鈴
ここは、終わりの場所であり、始まりの場所
ねえ、また一緒に見ようね・・・
最後まで生き続けた星たちを
キャスト
一ノ瀬 雛(23歳) 若い小説家。只今絶賛スランプ中。
佐野 優月(23歳) ひなの中学からの親友。高校では陸上部のエース。常に笑顔を絶やさない。
佐野 沙希(25歳) 優月の姉。一番の理解者。妹を大切に想っている。
井上 明海(30歳) 病院の、看護師助手(自称)病院については、誰よりも詳しい。沢山の患者を見送っている。
高坂 健司(27歳) ひなの編集者。ちょっと怖い。
序章 昔の約束
ひなと健司が屋上で夜空を眺めている。
健司、空へ手を伸ばし、星を取って(実際はその代りになるもの)ひなへ渡す。(実際渡さなくても、素振りで)
健司、去る。
ひな 冬のダイヤモンド・・・。綺麗に輝く六角形を一緒に眺めた不思議な男の子。その子が引っ越してから、15年が経った。
・・・元気かな?今も星を眺めているかな?あなたが、冬のダイヤモンドに手を伸ばして星を掴んで言った言葉、今でも覚えているよ。
ひな、もらったのを包み込むように胸に抱き、目を閉じる。
ひな 僕はいつもここにいるよ・・・って。離れていても、この広い空の下では、繋がっている・・・私はそう信じているんだよ。
オープニング曲イン。
ひなを取り巻く人間関係を表現。
第一章 スランプの作家
場所は、仕事場。
ひな、原稿用紙を眺めながらうなっている。
ひな ・・・あは・・・・あはははははははははは・・・・。書けないーーーーーー!!!!
転がりながら、悶えるひな。
ひな 締め切り一か月後なのに、書けないよーーー!!!!早く、何とかしないと奴がくる!足音が聞こえる・・・
恐怖の奴の足音がーー!!!どうしよう・・・なんて言い訳をする?あ、ごめんねー、ちょっとおなかの調子が悪くてー(ハート)
・・・だめだ、通じない!それなら・・・死体のふりでも・・・。
ひな、一度床に寝そべる。
ひな ・・・これ、意外といけるかも?
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