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餃子屋の朝

作者：yukiya

登場人物

佐伯：女
武田：男

佐伯「身近な職人のお仕事拝見！」

SE

佐伯「さぁ、今日もやってまいりました。
　　　身近な職人のお仕事拝見のお時間です。
　　　今日はこちらの餃子屋さんにお邪魔します。」

佐伯「おはようございまーす。」
武田「おはよう、どうしたこんな時間に？
　　　バイトの時間にしては早すぎるだろ。」

佐伯、武田を無視して。

佐伯「こちら、店主の[武木田豪三郎]さんです。」
武田「俺の名前は、武田三郎なんだが？」
佐伯「餃子職人の朝は早い。
　　　今日も早朝から、お店に出す餃子の餡つくりです。」
武田「何をやってんだ・・・。」
佐伯「餡は作らないんですか？」
武田「餡は基本的に前日の晩に作る。」
佐伯「なぜ？」
武田「一晩寝かしたほうがうまいからな。」
佐伯「じゃあ、今は何を？」
武田「特になにも。」
佐伯「は？」
武田「俺は、朝来たら厨房で30分ほどまったりすんだよ。」
佐伯「なんですって？」
武田「なんだよ。」
佐伯「じゃあ、皮を作ったり、皮に餡を詰めたりは？」
武田「もうちょっとしてからだなぁ。」

佐伯「・・・。」
武田「どうした？」
佐伯「面白いですか？」
武田「なにが？」
佐伯「あー、面白いでしょうともね。
　　　いたいけな女子をまんまと騙したんですからね。」
武田「何を言ってるんだ？」
佐伯「私の計画が台無しだ。」
武田「何が台無しなんだ？」
佐伯「昨日、オンラインゲームをしてて早い時間に寝落ちして、
　　　異様に早く目が覚めたから、店長を激励しようとわざわざ出向いたのに、
　　　当の店長は、厨房でまったりしてただと？」
武田「これがいつものルーチンワークだしな。」
佐伯「返せ！私の思いを返せ！」
武田「知らないよ。」

佐伯「で、いつまでまったりするんですか？」
武田「後10分くらいかなぁ。」
佐伯「じゃあ、10分後に出直すんで頼みますよ。」
武田「頼まれても・・・。」

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