続・ハッピーエンドの創り方Ⅱ改訂版3(2020)
続・ハッピーエンドの創り方Ⅱ改訂版3(2020)

シンジ……主人公
ユウコ……ヒロイン、シンジの彼女
男A……超常的なナニカ、ひたすら胡散臭い
神様……この世界の神様、脚本家
モブ……声のみ、男Aなら兼ね役可

背中を客席に見せて何やらパソコンに打ち込む神様。エンターと同時に暗転。(暗転中に客席一番前に座る。このとき、神様にもライトが当たるようにする。)

ユウコを抱き抱えるシンジ。
シンジ「どうして……ねぇどうして君が死ななきゃならないんだよ。いきなり鉄骨が落ちてくるなんて……くっそぅ、こんな、こんな」
だんだん暗くなっていく舞台。
男A「こんな運命認めるかって?」
舞台が急激に明るくなる。
杖を持った男Aが出てくる。
シンジ「!?」
男A「こんにちは、シンジくん。使い古されてブックオフですら買い取ってくれなそうな言葉だね、この世界の神様は語彙力が乏しいようだ」
シンジ「あ、」
シンジ&男A「あんただれ?」
男A「少しは捻ってくれよ。つまらない、いや、一周回って面白いのかな、これは」
シンジ&男A「だれだって言ってるんだよ!」
男A「別に僕が誰であったってどうでもいいだろう?なんにせよ、君のやることは変わらないんだから」
シンジ「は?」
男A「使い古された言葉には使い古された言葉で応じようか」
咳払いする男A。
男A「人の子よ、運命を変えてみたくはないかね」
シンジ「運命を?」
男A「君が望むならそのチャンスを」
シンジ「いったいどうやって?」
男A「時間を30分、戻してあげよう」
シンジ「そんなことが?」
男A「できるよ、そういう設定で僕は作られたからね」
シンジ「なら頼む!やってくれ!」
シンジ&男A「なんでもするから」
男A「君逆にいいね、いや、そういう設定なのかな?じゃあ、いくよ」
杖で地面を叩くと同時に暗転。
シンジの横にユウコが立っている。あたりを見回すシンジ。
シンジ「ユウコ!?まさか……本当に戻ってる?……コレなら」
   ユウコの進行方向をふさぐシンジ。
シンジ「ユウコ、やっぱあっちの道から行こう」
ユウコ「え?なんで?こっちの方が近いよ?」
シンジ「いいから、ね?」
ユウコ「でも、あっちの道今日は通行止めだよ?」
シンジ「え?そうなの?」
ユウコ「うん、ほら看板が見える」
シンジ「いや、でもダメ」
ユウコ「だからなんでよ」
シンジ「なんでってそれは……」
   黙り込むシンジ。
ユウコ「変なの」
   歩きだそうとするユウコ。
必死の形相でユウコに縋りつくシンジ。
シンジ「おねがいだから!ほかのことならなんでもいうことを聞くから……今だけは俺の言うとおりにしてくれ……。」
ユウコ「……わかった。いいよ。」
   微笑むユウコ。
シンジ「本当!?」
ユウコ「大げさだなぁ、よくわかんないけど、いいよ。そんなことで、なんでもいうこと聞いてくれるんでしょ?」
シンジ「あぁ、約束する。ありがとう」
胸をなでおろすシンジ。
1/9

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム