ラジオドラマ『思わせぶりカルタ』第2話
『思わせぶりカルタ』 第2話

【登場人物】

♀ 加茂北 希(かもきた のぞみ) :29歳・独身。エビス出版の編集員。酒豪。
♀ 田村 菜月(たむら なつき)  :24歳・独身。エビス出版の事務員。常に鼻にかかった甘えた声で話す。腹黒。
♀ 浅野 万理(あさの まり)   :年齢不詳・独身。エビス出版の経理。お局様。

♂ 相澤 啓太(あいざわ けいた) :26歳・独身。エビス出版の営業員。気が弱くリアクションが薄い。
♂ 加藤 賢治(かとう けんじ)   :48歳・既婚。エビス出版の営業部部長。世話好きだがスキャンダル好き。解説担当。 
  ※部長=ナレーション
♂ 内藤 総一(ないとう そういち):34歳・既婚。エビス出版の総務。実況担当。


【思わせぶりワード】

○あ『あのね…、ううん、やっぱり何でもない!』(希)
○こ『これ美味しい〜、一口飲みます?』(菜月)
○お『美味しそう〜、一口もらっていいですか?』(菜月)
○し『素面じゃ言えないこと、今夜は言っちゃおうかな。』(菜月)
○に『二次会行く?本当はケツカッチンなんだけど、〜が行くなら行こうかな。』(万理)
○は『パーティー抜け出さない?』(万理)
○て『手相見れるんですよ!…あ、運命の相手は意外と近くにいるみたい。』(菜月)
○つ『月がキレイですね。…意味は自分で調べてください!』(菜月)
○の『飲んでる時は無礼講!何でも聞いてあげるから。』(希)





ナレーション「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体、特に実在する秋田県とは一切関係ありません。」
ナレーション「前回のあらすじ。
       アギタ県の少子高齢化問題を解決するために、未婚女性同士で標的の男性を奪い合う
       “思わせぶりカルタバトル”が開催された。
       結婚を決めたカップルとその勤務先には、県からの多額の支援と助成金が与えられる。
       29歳独身加茂北希の勤務先であるエビス出版は、早速カルタバトルの場として飲み会を企画。
       そこで田村菜月、通称ナッちゃんが加茂北に勝負を仕掛ける。
       勝つのは“自称エビス出版のアイドル”菜月か!?“のん兵衛”加茂北か!?闘いの火蓋は切られた!


      第1話から続く飲み会会場の居酒屋。
      バトルの対象となる未婚男女4名分の席と、その他のエビス出版社員が座る宴会席が少し離れて配置されている。
      店内の喧騒が聞こえる。


加茂北   「今度は…、こっちの番! 私は持ち札から、“あ”のカルタ!…相澤くん…!」
相澤    「あ、はい。」
加茂北   「『あのね…、ううん、やっぱり何でもない!』」
相澤    「え…?」


      ここから部長と内藤が実況・解説役となる。
      2人は別室からモニターしており、加茂北たち当事者に声は聞こえていない。
      基本的に加茂北たちのパートでは居酒屋の喧騒が混じるが、実況・開設のパートでは背景は無音である。


内藤    「さて突然ではありますが、ここからは私、総務の内藤が実況を…。」
部長    「営業部部長の私、加藤が解説を務めさせていただきます。」
内藤    「加藤部長は“男女と見るやくっ付けたい。夢は仲人をやること。スキャンダル大好き。”で名を馳せております。
       本日はよろしくお願いいたします。」
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