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痛いの痛いの飛んでいけ

痛いの痛いの飛んでいけ

ＣＡＳＴ

普通野太郎……主人公。普通の人。

先生……普通野太郎の恩師。

陰陽師……有名な陰陽師

痛いの……痛みの元凶

子供……元気。

母親……子供のお母さん

痛いの２号……痛みの元凶その２

　　　　　　

　　　　　　　　とある公園。ベンチに先生が腰かけている。
　　　　　　　　そこに、普通野太郎がやってくる。
　　　　　　　　

先生　　　　久しぶりだね、普通野君。
普通野　　　お久しぶりです、先生。急にお呼び立てしてしまってすみません。
先生　　　　良いんだよ。かつての教え子から連絡をもらえるのは嬉しいことだ。
　　　　　　しかし、立派になったね。見違えたよ。あの頃はいつも自信がなさそうにしてたのに。
普通野　　　先生に何度も励まされましたね。もっと自信を持てって。本題なんですが、実は僕、結婚しようと思うんです。
先生　　　　結婚！？　おめでとう！　式はいつなんだい？　お相手は？
普通野　　　いや、まだ結婚が決まったわけでは……。その前段階といいますか、しようと思うんです。いわゆるプロポーズってやつを。
先生　　　　そうか。しかし、なぜそれを私に？
普通野　　　また励まして欲しいんです、昔みたいに。そしたらちゃんとプロポーズできるかなって。
先生　　　　お安い御用さ。普通野君、自信を持って。君ならできる！
普通野　　　ありがとうございます。

　　　　　　　　子供が走ってくる。それを追うようにして母親がくる。

子供　　　　きゃははははは！
母親　　　　そんなに走ったら転ぶよ！
子供　　　　大丈夫だよー！
母親　　　　ほらちゃんと前見て走って！
子供　　　　あっ！

　　　　　　　　子供、転ぶ。

子供　　　　えーん！　痛いよー！
母親　　　　ああもう、よしよし。痛いの痛いの飛んでいけー！

　　　　　　　　母親、子供の膝に手を当て、掛け声とともに手を普通野太郎の脛に向かってのばす。
　　　　　　　　あくまで自然にやる。

子供　　　　痛くなくなったー！　わーい！
母親　　　　だから走らないの！　また転んじゃうでしょ！

　　　　　　　　走り去る子供と母親

普通野　　　懐かしいなぁ。子供の頃は何故か効きましたよね。母に、痛いの痛いの飛んでいけーってされると不思議と……痛くなくなりましたよ……いってぇ……。

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