死後の番人~オウムの司書の裁き~
死後の番人~オウムの司書の裁き~
登場人物 佐藤和重・・・35歳 サラリーマン。交通事故死した。
オウムの司書・・・オウムの顔をした死後の司書。魂の選別をする。冷酷な性格で。
犬畜生・・・魂の「欲望」を司る番人。顔で犬で体は人間。佐藤の欲望を暴き出す。
馬外道・・・魂の「迷い」を司る番人、顔は馬で体は人間。佐藤の迷いを暴き出す。
利奈・・・大学時代、佐藤が好きだった女子大生。
20××年・・・佐藤和重は死んだ。交通事故死だった。結婚もしていない。ただ会社で従
順に仕事をこなしてだけの、特段取り柄のない男だ。
死して、死後の世界に来た。そこは裁判所があり、ドでかい階段と荘厳な宮殿を思い起こ
る作りだった。
佐藤「・・・・あれ?」
犬畜生「気が付いたか。」
佐藤「俺は??あれ?どしたんだ?」
犬畜生「貴様は死んだのよ。」
佐藤「・・・え??って何々?犬の顔した・・・って?あんた誰?」
犬畜生「ふふふ。我は犬畜生。貴様はこれから、我とともに行くのだ。」
佐藤「どこへ?・・・・って何かこれドッキリじゃないの?絶対これコスプレっしょ?」
犬畜生「ふふふ。ならば触ってみよ。」
佐藤「・・・やだなぁ・・・誰だよ。なんか会社でドッキリとか考えたんでしょ?みんな・・
って触っても・・・あれ???あれ???触れない」
犬畜生「こい。ついてくるのだ。ぐふふ。」
佐藤「あれ?・・ってこれホログラムか何か?」
犬畜生「周りを見渡してみよ。」
佐藤「・・・って?あれ?何か回りも薄紫の雲が・・どこまでも広がっていて・・ってあ
れ?」
犬畜生「死んだのを理解したか」
佐藤「・・・って、さっきトラックとぶつかって・・あれ?」
犬畜生、持っていた槍を天にかざす。すると、トラックに弾かれ、即死した佐藤の映像
が。
犬畜生「これが貴様の最期だ。」
佐藤「・・・・本当?え?まじで???」
犬畜生「ついてこい。」
佐藤「・・・すいません。まだちょっと気持ちの整理が・・・ってさっきから、あ
んた偉そうにしゃべってるけど、誰?
犬畜生「貴様に答える道理も義務もない。さぁくるのだ。」
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