Sweet Short Story


  塚原 紋志郎 (つかはら もんしろう)
  加瀬谷 義紀 (かせや よしき)   
  妹尾 徹   (せお とおる)   


  場所はとあるアパートの一室。
  下手に玄関があり、六畳程の部屋には机や冷蔵庫といった生活用品が所狭しと並
  んでいる。
  舞台奥にはベランダ付きの窓。


■■■

  塚原、カーテンの隙間から外をのぞいている。
  妹尾、そんな塚原をソワソワしながら見ている。

塚原  …いるな。
妹尾  …いるでしょ。
塚原  いる。確かにいる。そんで…、
妹尾  そんで?
塚原  見てるな。
妹尾  やっぱり?
塚原  そこはかとなく。
妹尾  うわぁ。

  塚原、窓から妹尾の隣に戻ってくる。

塚原  警察しかないんじゃないか?
妹尾  やめてよ。
塚原  でもさ、
妹尾  まだ引っ越してきて一ヶ月だよ? なのにそんな…。
塚原  …逆に、それこそ一ヶ月間、ずっとだろ?

  塚原、窓を指差す。

妹尾  うん…多分。
塚原  普通じゃないでしょ。
妹尾  だよね。
塚原  直接言いにいったら?
妹尾  え?
塚原  やめてくださいって。
妹尾  やだよ怖いもん。
塚原  根性ないな。
妹尾  じゃあ言ってきてよ。
塚原  嫌だよ。
妹尾  なんで?
塚原  怖いだろ。
妹尾  えぇ…。

  二人、途方に暮れる。

塚原  …警察が嫌なら大家さんに言おう。
妹尾  日向さんに?
塚原  そう。
妹尾  それは駄目だよ。
塚原  駄目?
妹尾  そしたら、日向さん…怖がっちゃうじゃないか。

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