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Ｓｔａｙ　Ｈｏｍｅ～私のお仮父さんが眠る夜～

Ｓｔａｙ　Ｈｏｍｅ～私のお仮父さんが眠る夜～

作：伊丹鉄塔

【登場人物】
すずめ

【場面】
１・Ｅｍｐｔｙ　ｒｏｏｍ
２・Ｍｉｄｎｉｇｈｔ　ｂｌｕｅ
３・Ｏｃｅａｎ
４・Ｈｉｇｈｌｉｇｈｔ　ｓｋｙ

【本文】
１・Ｅｍｐｔｙ　ｒｏｏｍ

部屋。寝具、充電器、ぬいぐるみ、脱ぎ散らかした服。窓からは月明かり。
寝具の上には寝間着姿の女性。手元のスマホが煌々と光る。

すずめ：価値観と言うモノは時代と共に変わるワケで、時代というモノはそこで生きる人間の声であって、
　つまり誰かが声を上げなければ、自分を含めて何処かの誰かが生きづらい世の中のまんまなんだって、
　先週に教授が言ってた。って、同じ学部の友達が言ってた。その時の私は多分寝てた。

すずめ：先週の水曜の一昨日、だから月曜日だったと思う。めったに開けないドコモメールに
　大学からの休校措置についてのお知らせが来た。ラッキーっては思ったけど、お店はどこもやってない。
　これじゃ休みの意味が無い。

スマホを操作。

すずめ：それでもホテルは空いてるだろうと算段立ててスマホで調べて、そしたら出たんだ。
　空き部屋？違う違う。ウイルス。

スマホを放る。寝転がる。

すずめ：世界がＢ級映画になったみたい。掛かっちゃいけない病気が流行って、
　いろんな人たちが外に出るなって、家にこもれって、今だけだからって言ってくる。
　ビョーキになりたくないからまぁ言う事は聞くんだけれども、そのためにツナ缶とかをめっちゃ買ったりしたりとかした。

背中を丸めて起き上がる。

すずめ：ツナ缶だけじゃなかった気がする。忘れたけど。忘れられないのはレジの混み方。
　スーパーは日曜の夕方並みに混んでたけど、向かいのゲーセンは店員以外誰もいなかった。
　灯りだけを閉じ込めたガラス箱みたいだったから、募金的な意味も込めて、クレーンゲームやって帰った。

ぬいぐるみを抱きしめてあやす。

すずめ：ねんねーん、ころーりーよ、おこーろーりーよー。
　わたしーは、ねむれーぬ、やこうーせーい。

スマホを一瞥、電話は来ない。

すずめ：……はぁ、寝よ。

スマホ、着信音。

２・Ｍｉｄｎｉｇｈｔ　ｂｌｕｅ

嬉しそうな、迷惑そうな表情。

すずめ：もしもし……今寝ようと思ったんですけど。や、電話待ってたとかじゃ無いっす。

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