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コンフィチュールの愛（声劇用）

エレナ　　シュテラ！
シュテラ　あらエレナ、そんなに急いでどうしたの？
エレナ　　シュテラ、どうして私から離れて歩くのよ。
シュテラ　離れてなんかないわ。ちょっとこの花を見たくて。
エレナ　　それなら私を連れて行って！勝手にどこかへ行っては嫌！
シュテラ　…エレナ、どうか怒らないで。私が悪かったわ。
エレナ　　シュテラ、シュテラ…私の可愛いシュテラ…。
シュテラ　なあに、エレナ。
エレナ　　シュテラ、ずっと私のそばにいて。
　　　　　誰にも渡さないわ、シュテラはずっと私だけのものでいてくれるわ、そうよね？
シュテラ　もちろんよ。何度もそう約束しているのに。
エレナ　　何度言っても心配になるの。ねえシュテラ、どうして今日はそんな可愛いお洋服を着てきたの？
シュテラ　どうしてって、
エレナ　　そんな可愛いお洋服着てくるなんて、信じられない。
　　　　　シュテラは他の人を誘惑するつもりなんでしょう？
　　　　　私より、他の人に褒められたいんだわ。
　　　　　シュテラは酷い人よ、娼婦みたいな女になるわ、他の人に尻尾を振って！
　　　　　貴方は私のことだけ見ていたらいいのに！！
シュテラ　ねえ、あんまりよエレナ。エレナは毎日私にそういうけど、何のお洋服を着ていたってそう言われるのだもの。私少し嫌になってしまう。
エレナ　　…い、嫌？私が嫌なの？ねえシュテラ、私が嫌い？嫌いになってしまった？
　　　　　ごめんなさいシュテラ、私またあなたにひどいことを言ったのね…
　　　　　ごめんなさい、どうしたら許してくれる？ああ、死んでみせましょうか？
　　　　　貴方の前で、あなたの言うように死んであげる。ね、そうしたらきっと許してくれるわよね？
シュテラ　エレナ、やめて。そんなことしないで。
エレナ　　どうして？そうしたらシュテラは私のことをもう忘れないわよね。すごく素敵なことだわ。
シュテラ　ダメよ。そんなことダメ。エレナはいつも私のそばにいて、いつも私のそばで笑っていてくれなくては、私おかしくなってしまう。私をそんな頭のおかしい女にしたくないでしょ？
エレナ　　ああ、本当に可愛いシュテラ！！
シュテラ　ふふ、ああエレナ、そんなにきつく抱きしめたら苦しいわ…
エレナ　　ねえ私シュテラのためだったら何でもしてあげる。
　　　　　許してシュテラ、代わりに何が欲しい？シュテラの好きなお洋服を買ってあげようか、それともお人形さんがいい？美味しいタルトフリュイのお店に連れて行きましょうか、ああ、そういえばこの間シュテラがきっと気に入りそうなコンフィチュールのお店があったのよ。そこにいきましょ、
シュテラ　コンフィチュール？
エレナ　　…シュテラ？
シュテラ　コンフィチュールと言ったの？エレナ。
エレナ　　え、ええ…
シュテラ　エレナ、貴方なら知ってるわよね？私が、コンフィチュールが大嫌いってこと。
エレナ　　あ…！申し訳ありませんシュテラ様！
シュテラ、様…？貴方はエレナでしょう？
エレナ　　ひっ、あ、シュ、シュテラ…
シュテラ　ああ、もういいわ、もう貴方の口からはエレナの言葉を聞きたくないの。
エレナ　　お待ちくださいシュテラ様！今一度、今一度チャンスを！今度こそきちんとエレナ様を演じてみせますから、
シュテラ　誰か、この者を処分しなさい。
エレナ　　いや、いやあああ！！！シュテラ様！シュテラ様！！！
シュテラ　お父様に伝えて頂戴、今回のエレナは５日も持ちませんでした。
　　　　　次のエレナを今すぐご用意下さいって。
　　　　　エレナ…貴方が悪いのよ。貴方が私の前から消えるから、私おかしくなってしまった。
　　　　　全部全部貴方のせい。…エレナ、愛してる。

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