ジャバウォックの詩
原案:『鏡の国のアリス』劇中詩
 
 
 
 王子(アルバート)男
 旅人(ジャビー) 両(できれば女性)
 
ジャブジャブジャブ 両
バンダースナッチ 両
 




1


 森へと辿り着く、一人の男。王子。
 

 
 王子「…ここが、化け物の住むという森。
 恐ろしいが…よし!」
 
 旅人「ちょっと待った」
 
 王子「!?」
 
 
 身を飛び退かせる王子。
 ひょいと出てくる、同じくらいの年頃の人。
 
 
 旅人「あ、すみません。驚かせるつもりじゃなかったんですが」
 
 王子「何者だ!」
 
 旅人「いやいや!僕はただのしがない旅人ですよ。そうだな、ジャビーとでも呼んでください」
 
 王子「…」
 
 旅人「あ、これは失礼。非礼をお詫び致します。ですからどうか、その手に握る剣をお離しくださいませんか?」
 
 王子「…別に怒ってない。すまない、俺も動揺しすぎた。それで、ジャビーだったか。一体何の用だ」
 
 旅人「ああよかった。いえ、実は一つ提案というか、頼み事がありまして」
 
 王子「頼み事?…俺が誰か知っての行動か?」
 
 旅人「ええ、アルバート殿下、その人でしょう?いずれはこの国を手中に収めるだろう若き王子…と、それを知り、非常識であることも承知の上で頼み事がありまして」
 
 王子「…それは?」
 
 旅人「ええ。というのも、この旅。化け物を狩る道行き、私も同行させて頂きたい」
 
 王子「なんだと?何を、言ってる」
 
 旅人「…勿論、信用なんてされる筈がない事は分かっています。暗殺者かもしれないし、寝ている間に身ぐるみを剥がれるかもしれない。ですから少しでも疑わしいならば」
 
 
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