遠くて近いは男女の仲
納豆編
制作/著作 関根広

遠くて近いは男女の仲
納豆編

登場人物

客 数人

ウエイター または ウエイトレス 一人

男性
女性 二人は恋人同士


      喫茶店 仲良く座る二人 服装は二人共にスーツでピシッと決めている
      テーブルにはシュガーポット、ナプキン、水が少し入ったコップ2個
      そして2つのコーヒーカップ
      店内には他に数人の客 ムーディーな曲が店内に静かに流れる
      ウエイターがテーブルのコップに水を注ぎ、去るところから話は始まる
      
      雑誌を広げて読んでいた女、急に思い出したように男に話しかける
      
   
女 ねえ、納豆に卵入れる時に白身だけ入れるって友達が居てさ、可笑しいと思わない?

男 白身だけ?

女 そう(笑い)白身だけだって

男 てかさ、納豆に卵入れる?

女 常識でしょ

男 え?納豆には卵入れないだろ

女 卵は入れなきゃ、納豆定食なんかは必ず卵と納豆が付いて来るじゃない

男 あれは(軽笑)卵掛けご飯としての、卵だろ

女 それは不自然でしょ、納豆定食には必ず納豆に卵、そして一つの空の器が付いてくるでしょ?そしたら
  やる事は一つよ     
  
男 やる事は一つ?

女 だから、一人の女に一人の男そして二人だけの密室と言ったら?

   間
   
男 カラオケ?
     
女 カラオケよね。二人仲良くデュエットでハーモニーが絡み合うのよ、それと同じで一つの器で納豆
  と卵のハーモニーが絡み合うの

男 ハーモニー?(鼻で笑い)納豆と卵の?

女 なによ

男 納豆なんかあの白いパックでかき混ぜればいいじゃん
  
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