ミストレスルーム
        ミストレスルーム



    登場人物
姉   枢木くるみ(クルルギクルミ)
妹   枢木るきあ(クルルギルキア)
母   枢木美伶(クルルギミレイ)



    ○枢木家
    古びた住宅の一室
    玄関を開ければすぐに台所
    その奥に六畳一間の部屋
    その奥に四畳一間の妹の部屋がある
    四畳の部屋は元々姉妹で使っていたが今は妹の部屋になっている
    姉は六畳の部屋で生活をしている
    舞台は六畳の部屋
    テレビや低い机、クッション、洗濯物籠、ごみ袋、小さな本棚、衣装箪笥などが手の届く範囲にある



    幕開け
    第0場「姉妹」
    夜
    妹がプレゼントの包みを持っている
    姉が帰ってくると、妹は慌ててクッションの下に隠す
    姉と目が合う
    妹は玄関に出て行こうとする
    姉が引き留める



姉   「ねえ、どこ行くの」

妹   「どこでもいいでしょ」

姉   「よくないから言ってるの」

妹   「関係ないでしょ」

姉   「私は保護者だよ」

妹   「なに、急に。今までそんなこと言わなかったくせに、偉そうにしないでよ。お姉ちゃんだって子供でしょ」

姉   「私はもう子供じゃない」

妹   「それなら私だって子供じゃない」

姉   「るきあはまだ高校生でしょ」

妹   「でも十八は越えた」

姉   「年齢は関係ない」

妹   「関係ある。だからお姉ちゃん、とめるんでしょう。でも私は変わらない。今まで通りの私だから」

姉   「待って。せめてどこ行くかぐらい言って。ここのところ毎日、いったい何してるの」

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