ハウリング -howLing-
タイトル「ハウリング-howLing-」
作・うゐ春菜
■あらすじ
水曜夜22時。ラジオ放送局「SHIBUYA STREET FM」の人気生放送番組「only kidding」が始まる。ディレクターのタツは、メディア業界生命を番組に懸けているが、パーソナリティのレオナに同性の恋人・健也がいると知る。独特の価値観を持ち、世間に流されない従弟の明希とレオナを引き合わせ、何かとレオナの世話を焼きつつ、順調に番組を継続していた。しかし11月のある日、放送事故は起きた。
■メッセージ
これは、自分の「声」がどこにも届かない世界の中で、もがき苦しむ者の「ハウリング」を描いた作品です。
□注意
放送局および番組名など登場しますが、すべて架空のものであり、現実の団体とは無関係です。フィクションとしてお楽しみください。
■登場人物
レオナ・・・本作の主人公。20歳。トークライブアプリで配信していたところを、タツに誘われ「only kidding」の番組パーソナリティとなった。見た目も声質も中性的で、若い男女両者から人気がある。
健也・・・・レオナの恋人。23歳。有名私大を卒業し、先輩のコネクションのおかげで大手企業の営業マンとして社会人のスタートを切った1年目。容姿は男らしいが、甘い物好きなど意外な側面も。
明希・・・・タツの従弟で、健也の大学時代の友人。23歳。デザイナーへの夢を持ち、大学は2年目で中退し、国立の芸術系大学で大活躍している。世俗とは離れているような雰囲気を放っている。
タツ・・・・渋谷にキーステーションを持つFM系のラジオ放送局の崖っぷちラジオディレクター。27歳。メディア業界全体が低迷していることに危機感を持っている。いわく、レオナは最後の希望。
■各スタッフさんへ
大道具さん・小道具さんへ。
詳細な描写は避けましたので、舞台の規模や舞台転換の効率等を考慮し、アイディアを出し合ってください。
音響さんへ。
ラジオ番組中のBGMやリクエスト曲など、サブカル的な要素を強めに選曲してください。また、マイクを通したときの音質にこだわりを持ってください。
■本編■
Opening
Scene 01 【Opening TALK】
水曜夜22時。ラジオ放送局「SHIBUYA STREET FM」の人気生放送番組「only kidding」のオープニングが流れる。
舞台、明るくなり、レオナがしゃべりだす。
レオナ 〈時刻は22時を回りました、みなさーんこんばんはー。 今日は全身白コーデ、ソース飛ぶのこわくてパスタ食べれないよー、レオナでーす。〉
レオナが、天気や最新のトレンドなどの情報をアドリブで織り交ぜながら、フリートークを展開する。
舞台上はスタジオを模しており、レオナがいる空間と、タツがいる空間が簡易的に仕切られている。
レオナの前にはマイクとフェーダーがあり、ヘッドフォンをつけ、PC画面と紙台本が用意されている。
タツの前には音響卓があり、ヘッドフォンをつけ、小さなマイクがある。
タツがトークバックでレオナに指示だしをする。
タツ 「30秒後、曲いくよ。」
レオナはタツに手でOKサインを返す。
レオナ 〈湿気に強いヘアワックスとか、ここで共有できたら嬉しいね?。意外と女の子ものでもハードなのあるかもだし、どんどんメールやツイートで教えてください! メールアドレスは、only-kidding@ssfm、o,n,l,y,ハイフン,k,i,d,d,d,i,n,g,アットマーク,s,s,f,m、ツイートするときはハッシュタグonlykidding、こっちはハイフンなしで入力してね。〉
レオナ、タツを一瞥し、タツがOKサインを返す。
レオナ 〈それじゃ、今夜もアツいチューンからスタート。*曲1(アーティスト名)で『曲名』。〉
曲、C.I.
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