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銀河鉄道の夜

静寂を想って

『銀河鉄道の夜』
原作：宮沢賢治
再編：霜村涼果

登場人物

A：男　ジョバンニ
B：できたら男　カムパネルラ
C：男　ザネリ／子ども１
D：どちらかというと男　マルソ／声１／子ども２
E：男　カトウ／声２／子ども３／カムパネルラの父
F：できたら男　車掌
G：できたら男　鳥捕り／作業員１／旗振りの男
H：できたら男　燈台守／作業員２
I：男　タダシ／所長
J：女　かおる子／ジョバンニの母
K：男　青年／学士

※ジョバンニの母、作業員、所長は声のみ(じゃなくても可)
※キャストに余裕があればそれぞれの役は独立可
※声役が独立できるのであれば、最初から最後まで舞台端の大道具に座ってたりしても〇

　　　[音]汽笛
　　　[照]明転
　　　舞台上には無個性な机や椅子や木箱が規則性なく置かれている。その上には、星座板、活版印刷機、汽車の模型、望遠鏡、鳥捕りの包み、りんごの入ったかご、白い靴、赤と青の旗(など)が点々と置いてある。
　　　ジョバンニ、カムパネルラ、ザネリ、マルソ、カトウが教科書を持って入ってきて、思い思いの場所に座る。

ザネリ　「先生、」
マルソ　「それは天の川です！」
カトウ　「天の川は、」
ザネリ　「僕知ってるよ！」
３人　　「銀河だ！」
マルソ　「おっきな望遠鏡で、」
カトウ　「銀河をよく見ると、」
ザネリ　「銀河はね、」
マルソ　「沢山の星だ！」
カトウ　「つまりね、」
ザネリ　「つまりさ、」
マルソ　「天の川は星だ！」
３人　　「星！」
カトウ　「天の川は星だから、」
ザネリ　「あっちの方は濃く見えて、」
マルソ　「こっちの方は薄く見えるんだ！」
ザネリ　「カムパネルラだって知ってるよな！」
カムパ　「……」
カトウ　「そりゃあ知ってるさ。」
マルソ　「もちろん知ってるさ。」

　　　ザネリ・マルソ・カトウ、カムパネルラを見る。
　　　カムパネルラ、頷く。

ザネリ　「ジョバンニは知らなかったろう。」
ジョバ　「……」
カトウ　「そりゃあ知らないさ。」
マルソ　「もちろん知らないさ。」
ザネリ　「だってジョバンニだもんな。」

　　　ザネリ・マルソ・カトウ、笑う。

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