ハロウィンゴーストスクランブル
『ハロウィンゴーストスクランブル』
推奨キャスト数:10名(参加者とおばけともに5名かつ兼役)─15名(参加者とおばけともに5名かつ別キャスト)
登場人物:
・アヤミ(女)─女子高生、カナエとは友人。明るくノリがよい反面、高圧的なところも。おしゃれとSNS好きであり、コスプレ写真を撮り放題のハロウィンが大好き。かなり気合いの入った仮装をしている。
・カナエ(女)─女子高生、アヤミとは友人。心優しく協調性溢れるが、やや流され気味。おしゃれとSNS好きであり、コスプレ写真を撮り放題のハロウィンが大好き。かなり気合いの入った仮装をしている。
・藤崎(男)─男子高校生。興味のある話題は長々と語る一方、社交性に欠ける。甘味好きであり、無料でお菓子を食べ放題のハロウィンが大好き。一切仮装をしていない。
・城山《しろやま》(男)─男子高校生。女性に優しく、男性に厳しい。ナンパ好きであり、コスプレやお菓子を口実に他人に声をかけ放題のハロウィンが大好き。簡単な仮装をしている。
・ルナ(女)─中学生ぐらいの少女。無邪気でいたずら好き。スクランブル交差点にやってきたおばけたちのリーダー的存在。若くして亡くなっており、現世へ遊びにこられる貴重な機会のハロウィンが大好き。黒いワンピースと黒い仮面を身にまとう。
・参加者─スクランブル交差点のハロウィン騒ぎに参加する人々。思い思いの仮装をしている。性別、人数不定、5名程度推奨。おばけとの兼役可。
・おばけ─ルナとともに現世へ遊びにやってきたおばけたち。全員同じ黒い仮面をつけている。基本的に声を発さず、パントマイムのみで意思表示。性別、人数不定、5名程度推奨。参加者との兼役可。
*読みかたの注釈が必要と判断した箇所に《ふりがな》を振っています。
◯東京・スクランブル交差点
ハロウィンイベントで賑わう、都内某所のスクランブル交差点。
舞台のあちこちに参加者たちが立ち、写真撮影や菓子交換をしている。
参加者たちのマナーはあまりよくない。
参加者1、入場。明転。
参加者1「さあさあやってまいりました、スクランブルハロウィン2019《にーぜろいちきゅう》!老いも若きも男も女も、ここスクランブル交差点に集まって!食べて!撮って!騒ぎまくれー!いぇーい!」
参加者1、退場。
スマホを持ったアヤミ、カナエ、下手側から入場。
アヤミ「カナエ、あっちも行ってみよ!」
カナエ「あっ、かわいー!」
アヤミ「カナエ、あっちも楽しそうじゃない?」
カナエ「あっ、いいねー!」
アヤミとカナエ、舞台中央に向かって歩きながら時折自撮りをし、歩行者の邪魔になる。
ルナ、下手側から入場。様子を伺いつつ、上手側に向かって歩く。
お菓子でいっぱいのかごを持った藤崎、上手側から入場。
藤崎「うわっこれ超うめえ…うわっこれも超うめえ…」
藤崎、舞台中央に向かって歩きながら時折お菓子を無言で受け取って食べ、
ポイ捨てや割り込みを行う。
藤崎、すれ違いざまにアヤミとぶつかる。
アヤミ「んっ…」
カナエ「アヤミ、だいじょぶ?」
藤崎「うわっこれ超うめえ…」
アヤミ「あのー。」
藤崎「…」
アヤミ「ちょっと、聞いてますー?」
藤崎「なんですか?」
アヤミ「あんたさあ、ぶつかっといておわびのひとつもないわけ?」
カナエ「アヤミ、やめときなよ──」
藤崎「まず、僕の名前は『あんた』ではなく藤崎と言います。以後はそう呼んでもらえると助かります。」
アヤミ「は、はあ?名前とかどうでもいいんだけど。」
藤崎「次に、たしかに僕らがお互いとぶつかったのは事実です。ですがその責任は交通マナーを遵守して歩いていた僕ではなく、自撮りのためにたびたび道を塞いでいたあなたたちにあるのではないでしょうか。」
アヤミ「むっ。あんたこそ、お菓子に夢中でよそ見してたからぶつかったんじゃないの?」
藤崎「なるほど、だとしたらお互い様というやつですね。」
アヤミ「んじゃ謝んなさいよ。」
藤崎「そちらからどうぞ。」
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