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繝励Λ繧ケ繝√ャ繧ッ (プラスチック)
杢 モク
彗 スイ
琴 キン
鳴 メイ
明転。
杢と彗、板付き。
散らかった部屋のようにも見えるし、公園か何かのようにも見える。様々な形、様々な色の大道具がごちゃごちゃと置いてある。(机・椅子などでもいいし、ただの箱などでもいい。)
しばらく沈黙。
杢 「退屈だ。退屈だよ。」
彗 「そうだねぇ。」
杢 「どうしてそう呑気なのさ。」
彗 「反対に、どうして君はそう焦っているの。」
杢 「別に、焦っているわけじゃないよ。」
彗 「それにしちゃ、ずいぶんそそっかしいけど。」
杢 「退屈なんだ。もう飽きちゃった。」
彗 「何にもしてないのに、何に飽きたの。」
杢 「何にもしないことに飽きたの。」
彗 「変なの。」
杢 「変じゃないよ。何にもしてないとき、ぼーっとしてたら、色々空想したりするだろう。もうネタがないんだよ。」
彗 「それじゃあ、空想してたんじゃないか。」
杢 「え?」
彗 「何にもしてなくなかったんだよ。」
杢 「ああ、そうか。じゃあ、空想に飽きたんだ。」
彗 「何を空想してたの。」
杢 「物語だよ。」
彗 「物語?」
杢 「そう。」
彗 「どんな物語?」
杢 「とびっきり面白いファンタジーだよ。」
彗 「聞かせてよ。」
杢 「いいとも。」
杢、自分がキャラクターになったりして動いて見せながら語る。
杢 「まずね、お昼寝をしているんだ。大きな木の下の、木陰で。」
彗 「うん。」
杢 「そしたらね、ウサギがやってくるんだ。おかしなウサギ。」
彗 「おかしな?」
杢 「そう。服を着てね、片めがねをかけて、懐中時計を手に持ってさ。『遅刻だ』って言いながら。」
彗 「うん。」
杢 「服を着てしゃべるウサギなんてあまりに珍しいもんだから、追いかけるんだ。そしたらね。」
彗 「そしたら?」
杢 「穴に落っこちちゃうんだ。」
彗 「ふうん。」
杢 「なんだよ、面白くないみたいな反応じゃないか。」
彗 「どこかで聞いたことあるよ、そんな話。」
杢 「そう?」
彗 「うん。」
杢 「そっか。それは残念だ。」
しばらく間。
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