シンデレラ、探しています
『シンデレラ、探しています』

推奨キャスト数:13─17名

登場人物:
・ヴィンセント(男)─ノートランド王国の王子。
・デューク(男)─ヴィンセントの側近。
・ヴィクトリア(女)─ノートランド王国の女王。ヴィンセントの母。
・ジェンソン(男)─ノートランド王国の王配。ヴィンセントの父。
・シンデレラ(女)─貴族の少女。継母とその連れ子に虐げられている。
・コーデリア(女)─貴族の少女。シンデレラの義姉。
・メイ(女)─貴族の少女でコーデリアの友人。ヴィンセントの大ファン。
・クレイトン夫人(女)─シンデレラの継母、コーデリアの実母。
・王城兵(男)─王城に勤める兵士。ヴィクトリア直属。
・国民─王国の国民たち。性別、人数不定(女性多め、3─7名程度を推奨)。
・ナレーター─物語のナレーター。声のみの出演。

●第1幕
 ◯ノートランド王城・ヴィンセントの私室

   優雅な装飾が施された私室。
   舞台前方中央がバルコニーになっている。
   バルコニーにヴィンセントとデュークが立ち、
   バルコニーを囲むように国民たちが数名立っている。

ナレーター(声)「むかしむかし、あるところに『ノートランド』という王国がありました。厳しくも公正な女王様と、それを暖かく見守る夫君が夫婦仲よく治めるノートランド王国。女王様と夫君の間には、1人息子の王子がおりました。王子の名前はヴィンセント。ヴィンセント王子は持ち前の美貌とカリスマで、若い女性を中心に国中の人々をとりこにしていました──」

   明転。

ヴィンセント「グッモーニング、麗しき僕の国民たち!」
国民「ヴィンセント様ー!」
国民「おはようございますー!」
ヴィンセント「今日という日が、君たちにとって素敵な1日であることを──心から祈っているよっ!」
国民たち「キャー!」
ヴィンセント「それじゃあねっ!」

   ヴィンセント、デューク、バルコニーを去り私室に入る。  
   国民たち、退場。

デューク「日課お疲れ様ですー、殿下。」
ヴィンセント「なに、みなの笑顔を思えばこの程度苦でもないさ。」
デューク「わー、さすがっすねー。」
ヴィンセント「君ほんとにそう思ってる?」
デューク「もちろんもちろん。殿下の女たらしならぬ国民たらしっぷりには脱帽っす。」
ヴィンセント「…ま、いっか。デューク、今日のスケジュールを頼む。」
デューク「かしこまりました。えーっと…本日は9時半から帝王学の授業、13時から乗馬訓練、16時からは宮廷楽団との打ち合わせになりますー。」
ヴィンセント「楽団と打ち合わせ?演奏会でもあるのかい?」
デューク「え、殿下。まさかとは思いますけど、お忘れじゃないですよね。」
ヴィンセント「ももも、もちろんさ!国中のレディたちを招いたダンスパーティーだろう?楽しみだなあ!」
デューク「…ははっ。」
ヴィンセント「ちょっと、主君相手になんだいその失笑は…すまない、まったく心当たりがない。」
デューク「殿下のお誕生日パーティーですよ。」
ヴィンセント「あ、そうか!たぶん意図的に記憶から抹消してたんだな。」
デューク「えー、なにかお気に召さないことでも?」
ヴィンセント「いや、誕生日自体が嫌なわけじゃないんだが…なんというか、その──」
ヴィクトリア(声)「ヴィンセント!」

   ヴィクトリア、ジェンソン、入場。

ヴィンセント「ヒッ!は、母上?」
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