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コント「無限に食えますわ」

コント「無限に食えますわ」

部下１
部下２
死者／男１
地獄鬼／男２

　上司の家にお呼ばれした部下2人。
　上司の手料理をご馳走になる。

部下１　すいません、ご馳走になっちゃって。
部下２　部長の料理好きは職場でも有名ですから。
部下１　今日も、こいつと、「部長の手料理楽しみだよなー」ってずっと話してたんすよ。
部下２　な。昼飯もあんま食わなかったもんな。
部下１　楽しみにしてますよ。…え、もうできたんすか？
部下２　はーやい。
部下１　部長、手際いいっすね。パパっと作れちゃうの、あこがれるなー。あ、これっすか。うわ、うまそう。
部下２　千切りキャベツと、ベビースターみたいな物が遭えてあるんですか？シンプルだけどうまそうですね。
部下１　早速、いただいていいっすか？…それじゃ、いただきます。…うわ、うま！
部下２　本当だ、すげえ旨い。
部下１　この、ドレッシングがすごいさっぱりしてて、パリパリの麺も食感が良くて。。これ、いくらでも食べられますよ。
部下２　なー。旨いな、これ。
部下１　これ、料理に名前とかあるすか？…無限キャベツ？なるほどー、確かに、これだけさっぱりしてるのに、めちゃめちゃうまいんすよ。これなら無限に食えますよ。な？
部下２　うん。

　そこに現れる鬼と死者。部下２の脳内風景。

鬼　　　おら！おら！食えよ！
死者　　勘弁してくださいよ！もう食えないっすよ！
鬼　　　なに言ってんだよ！つべこべ言わずにさっさと食え！
死者　　もう食べられません！
鬼　　　なんだと！？食えるだろ！こんだけ旨くて、さっぱりとした味わいはいくらでも箸が進むだろうが！
死者　　確かに、さっぱりとした味わいの中に胡麻油の香ばしさと旨みが加わって、いくらでも食べられそうな仕上がりになっていますけど！
鬼　　　その上、揚げた麺が加わる事により、しゃきしゃきのキャベツにパリパリ感が加わり、口の中で楽しい歯ざわりが広がって、無限に食えるだろうが！
死者　　でも、もう食べられません！おなかいっぱいです！
鬼　　　食べられなくても食うんだよ！この、無限キャベツ地獄でお前は、どんなに腹いっぱいになろうとも、とにかく食い続けるんだよ！
死者　　勘弁してください！！
鬼　　　うるせえ！とにかく食え！

　部長の自宅に戻る

部下２　……無限には食えないですね。
部下１　は！？なんでそんな事言うんだよ！うまいだろ！無限に食えるだろ！
部下２　旨いけど、無限には食えないです。
部下１　食えるだろ！
部下２　適量が一番です。
部下１　いや、食えるって！っていうか、食えるって言えよ！すいません、なんか…あ、ありがとうございます。これも部長の手作りですか？いただきます。…おー、これもうまいっすね。いかにも酒のつまみって感じで。
部下２　これ、いいですね。僕、お酒好きなんで、こういうの大好きです。
部下１　これは、なんていうんですか？…へー、酒盗っていうんですか。なんで酒盗っていうんですか？…あー、なるほど。酒を盗むって書いて、酒盗。いや、なるほどなぁ。…お前、酒好きなんだろ？酒好きのお前なら、これ食ったら、思わず酒、盗んじゃうだろ？
部下２　うーん…

　ふたたび部下２の脳内風景

男１　　ドロボーッ！
男２　　へへっ、これは、俺の酒だ！
男１　　返せよ！俺の酒だろ！
男２　　うるせぇ！弱肉強食、酒だって盗んだもん勝ちなんだよ！
男１　　なんでだよ…どうして酒を盗むんだよ！
男２　　へへへ…これだよ！

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