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「Ｚ」

〜怪盗の回答〜

「Ｚ」

佐々木勇輔（男）１６〜１８歳　怪盗Ｚ（男）２６〜２８歳　真理（女）不明

　　　　(勇輔、花道より登場真ん中で立ち止まる。勇輔にスポット)
勇輔　　ママ！僕は変わるよ。いつまでもママに心配かけられない。
　　　　前野君以外にもたくさん友達作らなきゃ。
　　　　目指せ友達５人。…ちょっと目標大きすぎかな？
　　　　それと勉強もしなきゃね。高校入ってからほとんどしてないし。あと…彼女とかもほしいな、
　　　　もう高校生だし…あぁいとしの水野さん。優しくて、しっかりしてて、笑顔が素敵で、まるでママみたい。
　　　　まぁ彼女ゲットは一番楽かな。ははは。
　　　　(声が聞こえてくる。勇輔反応する。)
前野　　よーこちゃーん。
水野　　あら、前野君なにか用？
前野　　洋子ちゃん知ってる？あのさ、佐々木が君のこと好きなんだって。
水野　　ほんと？でも、最近佐々木君明るくなってきたしそんなに嫌な感じしないわ。
前野　　へー、意外だなぁー。けどあいつ、マザコンはいってるぜ。君がママに似てるとか…　
水野　　マジー？ちょーキモイんだけど。やだっ寒気が、ねぇみんなちょっと聞いて…
勇輔　　そ、そんな、前野君。僕ら親友だって言ったじゃないか。
先生　　おいっ！佐々木。なんだこの成績は！こんなんじゃどこの大学にも
　　　　いけないぞ。まったく、しっかりやらんか！
勇輔　　やりはじめたばかりで結果なんててでるわけないだろ。
ママ　　ねぇ、勇ちゃんあのね、お話があるの…
勇輔　　なに？ママ(うれしそうに)
ママ　　ママ、離婚してもう５年になるでしょ？そろそろ再婚しようかなぁって思うの。
勇輔　　え？ママは僕を見捨てるの？ママは僕の太陽、ママは僕の神、ママは僕の命だったのに。
　　　　それなのにママにとって所詮僕なんて…二千円札、晴れた日のカサ、コンビニのシャッター、ソーラー地下鉄、
　　　　つまり、邪魔なだけだったんだぁぁぁぁぁー！
　　　　ひどいよ…せっかく変わろうとしたのに、変われると思ったのに…
　　　　みんなで僕を追い詰めて…どうすればいいんだよー！うぅぅぅ。
　　　　(なるべく前で座り込み、緞帳を上げる。)ＢＧＭ「運命」
　　　　(勇輔、十分上がったらとぼとぼ歩きベンチに座り、頭を抱える。)
勇輔　　ん？(空を見る)もう朝！…いつの間に…いつまでも公園で悩んでてもなぁ…
　　　　(怪盗Ｚ後ろを上手より走りぬけていき、下手近くで投げキッス)
勇輔　　ん？なにか通ったような…？(辺りを見回す)おかしいな、誰かいるのか？
　　　　(勇輔後ろへ行き、探す。納得いかないように見回す。)
　　　　(再び怪盗Ｚ、口にバラを咥え踊るように前を通っていく)
　　　　(上手直前で立ち止まりポーズ。勇輔振り返り、目があう…間…怪盗Ｚ逃げる)
勇輔　　な、なんだったんだ？僕疲れてるのかなぁ？(ベンチに座る。)
怪盗Ｚ　少年よ！そこを動くんじゃない！とぉっ！
　　　　(怪盗Ｚ上手より走ってきてベンチに座る勇輔に飛び蹴りっ！)
勇輔　　(立ち上がってかわす)な、なんなんだ？(怪盗Ｚベンチを飛び越え床に倒れたまま動かない)
勇輔　　あ、あの〜、大丈夫で…
怪盗Ｚ　きさまー！なぜ避けた？
勇輔　　そ、そんな無茶な…
怪盗Ｚ　ん？なんだ、ちゃんと命中してるじゃないか。
勇輔　　は？いや当たってませんけど。
怪盗Ｚ　いやいや、なにも嘘つかなくても。
勇輔　　当たってませんよ。
怪盗Ｚ　だってほら、顔がつぶれてグチャグチャに…すまん。そこまでするつもりは…
勇輔　　失礼な、これはもともとだ！
怪盗Ｚ　もともと？
勇輔　　そうだよっ！
怪盗Ｚ　(ポケットからハンカチを取り出し目にあてる）…強く生きろ。
勇輔　　どういう意味だ！もー、あんた何なんだ。
怪盗Ｚ　私か？私が誰だか知りたいのか？
勇輔　　あ、あぁ。
怪盗Ｚ　どうしようかなぁ〜、秘密なんだけどな〜。
勇輔　　じゃあ、別いいよ。（反対方向へ行こうとする。）
怪盗Ｚ　待て待て待てぃ！

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