『ロミオとジュリエットは、どこまで行くのか?』
『ロミオとジュリエットは、どこまで行くのか?』

■女が机で何か書いている。
■男が入ってくる。

男「何してんの?」
女「私さ、今度お芝居するの。だから台本書いてるの」
男「マジで? オリジナル?」
女「シェイクスピア。原作は長いから、短くまとめてやるんだ」
男「ふ〜ん。何やるの?」
女「『ロミオとジュリエット』」
男「え?」
女「なによ?」
男「ロミジュリなんかやってもつまらないって」
女「何でよ」
男「みんなだいたいストーリー知ってるし」
女「・・・」
男「それにあれは美男美女がやらないとダメ。え、お前出るの!?」
女「出るけど?」
男「お前じゃジュリエットはつとまら・・・」
■ゲシ!(っと蹴る!)
女「私は出るけどちょい役で、ジュリエットの屋敷の召使い、くらいで」
男「あ、召使いか。ぴったり!」
■ゲシ!(っと蹴る!)
男「(痛い)
女「はぁ、でもやっぱり、そのままやってもつまらないかなぁ」
男「美男美女は?」
女「いや、私の友達普通だし」

<役者二人>
2人「・・・」
ジュリ「あぁ、普通のロミオ!」
ロミオ「あぁ、普通のジュリエット!」
2人「・・・」


女「アレンジするもん」
男「例えば?」
女「現代の、高校生にする」
男「高校が隣同士とか?」
女「そう、争ってるの」
男「争ってるて、不良? 暴力的」

<役者二人>
■学ランやサラシで、やたらに古風な不良の2人。
ジュリ「ロミオっちゅーんはおまえか!?おう!?」
ロミオ「だったらなんだちゅーんじゃ、この・・・この・・・ズキューン!(恋に落ちる音)」

男「面白そうだけど・・・ありがちかな。時代も間違ってる気がする」
女「ちがうもん、どっちも進学校で、学力で争ってるの」


<役者二人>
■二人、太ぶち眼鏡で。
ロミオ「あぁ、君は全国模試でいつも1番のジュリエット」
ジュリ「そういうあなたはいつも二番のロミオ」
ロミオ「あぁ、出来ることなら、いつかあなたと机を並べて一緒に勉強したい」


男「あんまり賢そうじゃないな〜。それに、そいつら過ごすぎじゃね?」
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