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失恋演劇部

『失恋演劇部』

【登場人物】３名（女３）
部長：演劇部長。
脚本：演劇部脚本担当。落ち込んでいる。
後輩：演劇部後輩。

【上演時間】12分

【あらすじ】
今日は演劇部の脚本締切日。
しかし脚本担当の部員が失恋してヤル気を失っている！？
なんとかして励まさないと！

【本編】

（演劇部部室。脚本が一人で机に顔を伏せてるところに、部長が入ってくる。）
　　　
部長「おーっす。お、なに、寝てるの？
　　　頑張ったんだねー、お疲れさまー。でも助かるよー。
　　　今日脚本上がらなかったらスケジュールやばかったからさー。
　　　んじゃ見せてもらうねー。どれどれ……。……ん？
　　　ちょっ、ちょっと！？　どれも真っ白なんだけど、脚本は？　え、嘘でしょ！？
　　　あー、あれだ！　もう頭の中ではできていて、
　　　あとは書くだけって状態なんだよね！？　だよね！？　ね！　どんな内容！？」
脚本「……話、聴いてくれる？」
部長「うん、聴く聴く！」
脚本「かっこよくて優しくて頭良くて、まさに最高って感じのクラスメイトに恋をしたの」
部長「おー、恋愛物かー、いいじゃんいいじゃん。それで？」
脚本「で、ある日思い切って告白したの」
部長「いいねー、盛り上がるじゃん。それで？」
脚本「ふられたの」
部長「あー、そう来るかー。それから？」
脚本「それから？」
部長「それから」
脚本「それから……落ち込んで、部室に来て、脚本書く気力もなくなって、
　　　落ち込んでたら、あんたが来たの」
部長「…………ん？　……え？　ええっ！？　今の実話！？　脚本の話じゃなくて！？
　　　ええー！？　あんたふられたの！？」
脚本「……（倒れる）」
部長「あー、ごめんごめんごめん！　うーん……よし、わかった！
　　　こういうときは、ぱーっと遊ぼう！
　　　徹夜カラオケだろうが泊まり旅行だろうがなんでもつきあうよ！」
脚本「……ほんと？」
部長「うん！　脚本が完成してからね！」
脚本「……（倒れる）」
部長「いやいやいや、私だってこんなこと言いたくないけど！
　　　スケジュール本当にやばいの！　終わったら何でも付き合うから、
　　　脚本だけは頑張ってちょうだい！　お願いだから！」

後輩「こんにちはー。あれ？　なんか雰囲気暗くありません？」
部長「うん、ちょっとね……ん、それなに？」
後輩「あー、これ？　じゃーん！　ケーキです！　ちゃんと人数分ありますよ！」
部長「おー！」
後輩「はい、どうぞ」
部長「ほら、食べよう。おいしいもの食べて元気出そうよ。
　　　でもどうしたの？　急にケーキなんて」
後輩「ちょっとしたお祝いです」
部長「今日だれかの誕生日だっけ？」
後輩「ふっふっふ、じつはー……なんと、わたし、彼氏ができました！」

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