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フェンスを越えた向こう側で

『フェンスを越えた向こう側で』（５：４）

宮下敦（みやしたあつし）
→２９歳。市役所の住民課で働く非常勤職員。野球は主にアマチュア野球が専門。
谷本幸子（たにもとさちこ）
→２４歳。専門卒のフリーターで、球場から徒歩５分の近所に一人で暮らしている。いまは携帯販売ショップのアルバイトをしている。
岩崎敬道（いわさきけいどう）
→４６歳。自動車整備工場を営む社長で元高校球児。前妻との間に１９歳と１８歳の息子がいるが、１５年近く会っていない。
岩崎貞子（いわさきさだこ）
→４４歳。敬道の後妻で二人の間に子供はいない。
工藤久（くどうひさし）
→３４歳。化粧品会社の営業をしており、月１で球場にプロ野球を見に来る。
中村圭子（なかむらけいこ）
→１９歳。北近畿大学１年で文芸サークル所属。ジャンルはミステリー（グロあり）
大村孝広（おおむらたかひろ）
→２２歳。北近畿大学４年で文芸サークル所属。ジャンルはファンタジー。
原田千尋（はらだちひろ）
→１６歳。私立実教第二高等学校のマネージャーで、記録員。地元兵庫県出身。
真山茂樹（まやましげき）
→１７歳。私立実教第二高等学校の控え内野手で背番号は１８番。兄の真山清一は実教大の１年生エース。

セリフ数（５００セリフ）

宮下　６３セリフ（うちＭ１）
谷本　６５セリフ（うちＭ１）
敬道　５３セリフ
貞子　３６セリフ
工藤　４３セリフ
中村　５７セリフ（うちＭ１）
大村　７２セリフ（うちＭ５）
原田　５５セリフ
真山　５６セリフ

ーシーン１ー

谷本Ｍ：またこの季節が始まった……。別に男子に混じって野球をやっていたわけでもないし、ナイターを見に来たことも記憶の限りはない。ただ…………ただ、この甲子園から家まで歩いて５分という近さから毎年見に来ている。

谷本：にしても暑いからって無料の外野じゃなくてこのバックネット裏に座ってる自分も物好きよね、今年から値上がりしたし…………ん？

宮下：ほうほう……さすが実教のエースだな。腕も良く振れてるみたいだし…………あ、守備練習が始まるな。記録しないと……ノート、ノート…………。

谷本：…………あの……。

宮下：ノートはどの鞄に入ってたかな……あっ！あの２塁にいる１８番は真山だな。おーいっ！！真山弟〜っ！！！

谷本：あのっ……！

宮下：まや……ちっ。兄と違っておとなしいのが難点なんだよな、真山茂樹は……だからマウンドに立たせてもらえないんだよ…………あ、そうだ。ノート、ノート…………。

谷本：ちょっとっ！！

宮下：…………なにか用？

谷本：これ、なんですか？

宮下：なんですかって…………ただの鞄だけど。あ、ノートのこと？このノートは各試合の注目選手の様子や練習の様子、試合中のポイント…………あ、スコアは別にノートがあって……えっとどこにやったかな…………。

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