四穂町役場前行き
『四穂町役場前行き』(5:3)
登場人物
佐々岡♂:38歳。運転手。
小 林♂:32歳。会社員で佐々岡の後ろに乗車。
野 村♀:29歳。子連れの主婦で優先座席に乗車。
大 野♀:52歳。2男1女の母親で後部出口傍に乗車。
浅 井♂:21歳。フリーターで大野の斜め後ろに乗車。
西 山♀:19歳。専門学生で浅井の隣に乗車。
緒 方♂:18歳。高3の受験生で車内最後部に乗車。
前 田♂:17歳。高3の受験生で車内の最後部に乗車。
キャスター(性別不問)
レポーター(性別不問)
セリフ数(全595セリフ)
佐々岡 60セリフ(うちM6)
小 林 68セリフ
野 村 63セリフ(うちM12)
大 野 72セリフ(うちM12)
浅 井 83セリフ
西 山 69セリフ(うちM25)
緒 方 81セリフ(うちM15)
前 田 78セリフ(うちM19)
キャスター 11セリフ
レポーター 10セリフ
佐々岡M:昭和65年5月15日。その日私は坂平(さかひら)駅発の四穂町(よつほちょう)役場前行き最終バスを運転しておりました。
西山:ねぇ、なんか私アイス食べたくなってきちゃったー。
浅井:お前さ……アイスって、もうコンビニ過ぎちまったぞ。すみませーん、降りたいんで止めてくださーーーいっ!
西山:そんないきなり止まるわけないじゃん。しかも橋の上だし。
浅井:そりゃそーか、がっはっは!!
小林:ちっ。ガキがわめきやがって…………。
佐々岡M:その日の最終ともあって、乗客は7名。主に学生や会社帰りのサラリーマンが乗車していました。
緒方:仮定法の時はここがこうなって…………。
前田:いや、このときはこうなるんだって。塾の先生が言ってたろ。
緒方:でもここにこれがあるじゃん。これって参考書に載ってた…………これこれ。これじゃない?
前田:え、それ何ページ?俺もチェックしとかないと……。
佐々岡M:終点の四穂町役場でお客様を下ろすと私はバスをバスセンターに戻し、そのままセンター内で夜勤の予定でした。ですのでこの時も、戻って食べる妻の弁当のことばかり考えていました。
野村:(赤ちゃんを抱きながら)もう少しでお家ですよ〜。お父さんがバス停で待ってますからねぇ。
大野:何カ月なの?
野村:ちょうど8カ月になったところです。
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