夢、つき
夢、つき Vanitas

私 
この物語の主人公
常に大きな夢を追いかけている。
裏表が激しい。様々な「私」が内在。
アーティストの寓意。

世界観
現代より少し先の世界。
時代の移り変わりにより、人間は自由に表現活動ができるようになる。
しかし、さらに時代が進み、
表現者同士で検閲しあい、そして芸術が徐々に圧迫されるようになった。
まさに原点回帰。
世界は繰り返す。
良いことも悪いことも全て。
忘れたころにやってきては流れ、流れてはやってくる。
そんな世界で自分を貫きながら懸命に生きようとしている、
「私」の「私」による「みんな」のための物語。

Vanitas
美術史用語。
16世紀から17世紀にかけて多く表現された、
『人生の虚しさの寓意』を表現した静物画作品のカテゴリ。
いくら美しくても、結局は死んで無くなってしまうというような虚しさを描いている。
私はこのVanitasを自分なりに解釈し、本作品を“描”いている。

ピンスポ……殻に閉じこもってしまう表現で統一。


【1場】

上手階段から、台本をもって読みながら入ってくる。
読みながら中央ツラへ。(中央ピンスポ)


※このシーンに入る前にギリシャ神話の話の朗読もあり。
 横暴な神の話。他者の自由を奪う神。


本を閉じる。


私 「自由」ってなんだろう。誰から見た自由。私は自由。わからない。
  自由は幸せか。幸せってなんだろう。楽しいこと。楽しめること。
  表現できること。

  この世界はあまりに多くの考えが蔓延っている。
  考えが多いのは悪いことではない。
  問題なのは、その自分だけの考えを他人に強要することを許容しているこの世
  界。
  表現の自由を謳っているが実際はどうなのであろう。
  新しいこと、変わったことをする表現者を叩き潰し、
  自分の安心できる世界に居座る人間。
  自分の知らない世界に踏み入ることを躊躇する弱い人間。
  自分の世界に他人を留めようとする人間。
  自分の「自由」を主張することで他人の「自由」を奪う人間。
  
  哀れだ。

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