夢のような噺
「夢のような噺〜落語『天狗裁き』より〜」(作:井口時次郎)
【登場人物】
ナビゲーター
藤田健司・・・・高校2年生。
正木陽子・・・・高校2年生。藤田の彼女。
秋吉公平・・・・高校2年生。藤田、正木の同級生。
上田先生・・・・担任教師。
校長先生
宇宙人・・・・・ピポパ星からやってきた宇宙人。
***脚本ここから***
舞台下手に机といすが1組。ナビゲーターが机に突っ伏して寝ている。
いきなりスクリーンにアイドルのDVD映像が流れる。
適当なところで突然映像が途切れ、ナビゲーターに明かり。
同時にナビゲーター起きる。
ナビ はっ!夢か…
あぁ、いい夢見た…ってあれ?いま何の夢見てたっけ??
音楽【世にも奇妙な物語】
スクリーン上がる。
スクリーン後ろでは藤田が机に突っ伏して寝ている。
ナビ 人間は眠っているときに、夢を見るレム睡眠と夢を見ないノンレム睡眠を一晩に4〜5回繰り返すそうで、人によっては毎晩2時間近く夢を見ているそうです。楽しい夢、怖い夢、不思議な夢、ちょっとエッチな夢など、いろいろです。しかし、そんなに頻繁に夢を見ているにもかかわらず、起きたとたんに忘れてしまうこともよくありますよね。今回のお芝居も、そんな夢を忘れた男の子の物語です。
ナビ、藤田を見る。
ナビ よく寝てますねえ。彼の名前は藤田健司。高校2年生です。これ、今授業中ですかねえ。数学かなにかでしょうか。完全に寝ちゃってます。
チャイムの音。
ナビ あらら。授業、終わっちゃいました。でも、まだ寝てます。
上手から正木陽子登場。
ナビ この子は正木陽子。この、藤田君の彼女です。
さて。物語はここから始まります。
ナビゲーター、下手へ去る。
陽子 健司。・・・って寝てるし。しかしこれだけ熟睡できるのも一つの才能よね。(顔を見て)また無防備というかだらしないというか…隙だらけって感じ。戦国時代か何かだったら真っ先に殺されちゃうタイプよね。やだ、なんかニヤニヤしてるし。かと思うと真面目な顔して何かブツブツ言ってるみたい。これほんとどんな夢見てるのかしら。また笑ってる。なんかムカついてきた。起こしちゃえ。(藤田を揺らす)健司、健司!
藤田 (ビクッと体をけいれんさせて)ああびっくりした。何だ陽子か。あれ?数学終わってる?
陽子 数学どころか次の英語も終わってるよ!どんだけ寝てるの。
藤田 いやあ、よく寝た。
陽子 よく寝てたわよほんとに。バカみたいな夢見ながら。
1/5
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。