君が好きを覚えるたび、僕の心臓は一つ死ぬ
君が好きを覚えるたび、僕の心臓は一つ死ぬ
ハル
サラ
カンダ先輩
ハルの部屋
サラが何か話しているが、ゲームをしていて聞いていないハル。
サラ ねえ、ねえってば。ねえ、ハル、聞いてるの？
ハル うん…
明らかに聞いていない。
サラは少しイライラして、ハルの目を手で覆う。
ハル あ！こら、サラ
ゲームオーバーの音。
ハル 死んだ…
サラ ハルが話聞いてないのがいけないんでしょ
ハル 聞いてただろ
サラ じゃあ、今何の話してた？
ハル えっと、カンダ先輩が魔導書の使い手だった話？
サラ 違うよ！全然聞いてないじゃん。ゲームばっかりしてるから
ハル サラの話聞いてやるとも言ってないし
サラ いいじゃん、聞いてよ
ハル わがまま
まだゲームを続けるハル。
サラも話を続ける。
サラ だからね、3日前に雨が降ったでしょ？その日にカンダ先輩に会って。先輩、時計と空を交互に見てなんか困ってたみたいだから声かけちゃったの。「先輩、どうしたんですか？」って。そうしたら、「バイトに行かないとなのに、傘忘れてきちゃった」んだって。ねえ、聞いてる？
ハル ああ、うん。忘れたのね
サラ 「遅刻すると怒られるし、ずぶ濡れでもいくか」って言うから、「私の傘使ってください！」って。「いいの？」「私、置き傘あるんで」って、そしたら「ありがとう」って！それから、「サラちゃんは優しいね」って。笑顔で！聞いてる？
ハル んー、聞いてる聞いてる
サラ かっこいいんだよ、カンダ先輩。「今度お礼させて」って。これって脈ありかな。ありだよね。どう思う？
ハル ただ傘貸しただけだろ
サラ でも、よく話しかけてくれるし。このあいだも、個人的にお土産ももらったし
ハル そういう人ってだけだろ。律儀な人
サラ もう、ああ言えばこう言う
ハル いや、普通に考えてな
サラ 口うるさい男はモテないよ
ハル 別に、モテようとかそういうのじゃないから
サラ で、どう思う？脈ありだと思う？
ハル さあ、そんなの知らないよ
サラ なんでそんなに興味ないわけ
ハル 逆に、サラの恋愛事情にどう興味を持てと
サラ ねえ、いいじゃん。相談相手になってよ
ハル 友達に相談すればいいじゃん
サラ ダメだよ。だって、みんなカンダ先輩好きだし。カンダ先輩モテるんだよ。皆ライバル。相談できるわけないよ
ハル あっそ
サラ カンダ先輩かっこいいんだもん。あんなに完璧な人いないって。本当に大好き
ハル あ、死んだ
ゲームオーバー。
サラ わかった。私もハルの恋愛相談のってあげるから！
ハル は？
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