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返して？

このコントは、実際に筆者が体験した出来事を盛りに盛ったノンフィクション（仮）です。

卓也…会社を退職し、その送別会が行われている。落ち着いた印象のサラリーマン。
翔太…頭にネクタイ巻き巻きおじさん。こう見えて会社では偉い立場にいる。
彼女（由里子）…卓也の彼女。電話で登場。いい人。
中山…卓也と翔太の部下。電話で登場。凡ミスをすることが多い。

飲み屋で二人の男性が飲んでいる。
♪ざわついたBGM
卓也の会社メンバー。送別会が終わり、
同期と二人きりで二次会に来ているシチュエーション。
卓也の隣の椅子には花束が置かれている。
翔太は頭にネクタイを巻いている、典型的な酔っ払い。

翔太　　やっぱり、寂しくなるよなぁ〜。
卓也　　（うれしそうな表情で）そうかぁ？
翔太　　お前ってさ、上からの信頼も厚いし仕事もできるしで、
うちの部署では特に存在が大きかったと思うんだよね。
卓也　　（嬉しそうに）そうかなぁ。
翔太　　そうだよ。今日の送別会も、社長、やけに寂しそうにしてたし。
卓也　　（嬉しそうに）そ〜う〜？
翔太　　お前、なんか幸せそうだな。退社出来るのがそんなに嬉しいのか。
卓也　　いや別にそういうわけじゃないけどね。まぁ、一応俺も５年この会社で務めて、
社長や皆に認められるようになれたと思うと、頑張ってよかったなぁ、って。
翔太　　そうだな。しかし急だよな。
卓也　　それは本当にごめん。残りの業務押し付ける形になってしまって。
翔太　　いいよ別に。お前が事前に先方に挨拶回りしてくれてた分、手間もかからないし。
卓也　　あ、一つだけ最後に言わせてくれ。マツダ創業の鍋岡さん、
気性が荒いって有名な方なんだけど、顔がキツいだけで実際はめちゃめちゃいい人だから。
翔太　　それ、信頼されてたお前だからじゃなくて？
卓也　　違うって。（内心嬉しそうに）ほんといい人なんだから。
俺怒られたことなんて一回もないし。仏みたいな人だから。
翔太　　じゃあそんな身構える必要はないかな。
卓也　　あぁ。大口のお偉いさんだからな、がんばれよ。
翔太　　おう。あ、じゃあ最後にこれ。（袋に入った何かを渡す）
卓也　　なにこれ？
翔太　　開けてみろって。

プレゼント用の包装紙に包まれた箱を開ける。
なかには小型のサボテン。

卓也　あのー。、、、なにこれ？
翔太　退職する奴がいるんだから、花のひとつやふたつ用意するもんだろ？
卓也　、、、サボテンじゃん。
翔太　え、サボテンって花じゃないの？
卓也　いやそうかもしれないけど。普通さ、こういう時の花ってそうじゃなくない？
翔太　注文多いなお前。要らないなら返せ！
卓也　いや、、まぁありがたく受け取っとくよ。キッチンにでも飾ろうかな。
翔太　いいやつだから、大事にしろよ。
卓也　そうなんだ。
翔太　結構買うのに迷ったんだぜ。
卓也　いくらくらいしたの？
翔太　んー、ざっと給料1ヶ月分くらいかな。
卓也　ふうん。
（少し考える間。そして額の大きさに気がついて重わず席から立ち上がりしりぞく。）お前バカなの！？
翔太　お前のためだろうがよ！
卓也　退職祝いのサボテンに2、30万出すバカがどこにいる！
大体サボテン、ってのものまだ理解出来てないからな！
翔太　そこは俺もちょっと思い切りすぎたと反省してる。

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