忘れる男
忘れる男

登場人物

主人公 山崎

会社の同僚田中
岩渕
上司の木村
精神科医の野口
そのほか、モブ


まず、ナレーションが入る。
「認知症、精神病、アルコールや薬物………脳の働きを壊してしまう原因は、多くあります。
それらによって現実の歪んでしまっている人の世界は、外から見るとおかしく思えるかもしれません。『あそこに小さな男が座ってる!部屋に大きな金魚が入ってきた! 』
『…はいはい何をバカなことをいってるんだ。どこにもそんなものはいないじゃないか? 』 
『あれれ、僕のメガネはどこ?』『バァさん夕飯はまだかいの?』『………メガネは頭の上に掛かってるじゃないか。』『お爺さんもうお夕飯は食べましたよぉ? 』………しかし当人達からすれば、部屋に
金魚が入り込んだと言う幻覚も、自分が夕飯を食べていないということも、まぎれもない現実なんですよ。自分たちの方がおかしいという感覚はありません。
………現実とはなんなんでしょうね?
マトリックスという映画の中では、私たちの世界は機械に見せられている夢でした。
私たちがまともな感覚で見ているこの世界は、ある日わけもわからず歪んで、壊れるものかもしれません。」






山崎「あれ、あれ〜?」
野口「どうされたんですか?」
山崎「いや、あの………定期を落としてしまって」
野口「それは大変だ。この辺りですか?」
山崎「ええ、この辺りのはずで………あれ〜?」
野口「一緒に探しますよ」
2人は、舞台を探す。やがて定期券を見つける
野口「あ、これですか?」
山崎「ええ、それです!良かったぁ!ありがとうございます。」
野口「いえいえ、見つかって良かったですねぇ」
山崎「もう今月6回無くしているんですよ」
野口「6回?!  いや、それは多いですねぇ
山崎「あはは、僕、ちょっと忘れっぽくて
野口「忘れっぽいどころじゃないような………」
山崎「ついうっかりすることが多くて。ついさっき改札で使ったばかりなんですけどね‥
あれ………
野口「どうしました?
山崎「財布今僕どこにしまいましたっけ?
野口「そこのポケットです!
山崎「あ、ああ良かった。こんな風に手が勝手に動いちゃってしまう事も度々………あなたはありません?」
野口「ううん、なかなか無いですね(笑)仕事でお疲れではありませんか?もしくはそれ以外で悩み事とか」
山崎「あはは……… あ!いけないいけない、ちょっと急ぎの用があったんでした!」
野口「おお、引き止めて申し訳ない。お気をつけて」
二人は挨拶を交わし別れる

場面変わって仕事場
山崎、荷物の仕分け中
山崎「………よいしょ………うんしょ………ふう」
田中「 おう、悪いんだけどこの荷物B5エリアのらしいから、頼むわ。」
山崎「はいよ、わかった。」
田中「量多そうだな………ちょっと手伝うよ」
山崎「ありがとう、助かるよ。」
1/8

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム