グンマノラッパー
群馬のラッパー

※作者は群馬県出身であり、郷土をこよなく愛しております。

登場人物…3人(上司、部下、ラッパー)

会議室にて上司、うなだれている様子

上司「はぁ、まったくとんでもないことになってしまった」
上司「そりゃあ地域活性課なんだから、町おこし、村おこし、観光、地域のPRをせにゃならんのはわかってはいるけども…」
上司「何をすればいいのかが全く分からない」
上司「そもそも私が赴こっちに任してきたのはつい最近のことだから名産特産なんて全然知らないし、そもそも方言だってよくわからないわけだし…。そんな私に急に全権限を握らせていったい何を考えているっていうんだ」
上司「大体来た時から感じていたがいったいなんなんだこの県は。みんな休憩中にはわけのわからん魔法の合言葉のカードゲームばかりやっているし仕出し弁当は薄くて硬い鶏肉の弁当だし夏場は毎日雷なってるし山を見分けて方角を確かめるし友人にはやたらパスポートやらビザ申請やら確認されるし…」
上司「ああでもこのうんまい牛乳はおいしいよな。うん、これはおいしい」
上司「で、これをどう町おこしにつなげていけばいいんだろうか…」
??「お困りですね!先輩!その困りごと、私が華麗に解決して差し上げましょう!」

部下さっそうと入ってくる

上司「んん?君は一体?」
部下「はっはっは、先輩を支持するように言われ飛んでまいりました!任せてください。私の自国愛といったらなかなかなもんですよ!きっと先輩の力になって見せましょう」
上司「え?国?」
部下「ようは名所名物たくさんの特産品をどんどんPRしていって、愛する我が国をよその連中に知らしめていくんですよね、簡単です。イージーです。PRじゃなくてEZです」
上司「え、まあ、うん。心強い点はありがたいんだけど、なんか本当に大丈夫?すごい心配なんだけど」
部下「大丈夫です。移動の列車で書類には目を通してあります。ではこうしましょう。先輩に僕の提案をお目通ししていただき、気になったらステイと叫んでください。意見などもどもらずに」
上司「いやどもってないけど…まあいいか。やはりその地域に詳しい人の意見も大事だしね。じゃあお願いするよ、さっそく頼む」
部下「よぉよぉ、それじゃ早速スペシャルゲストを呼んじゃうぜ、こんなイカした役場まではるばる来てくれたイカれたメンバーの紹介だぁ!!まずはMC!!ラッパー!!」

ラッパーが入ってくる。いかにもちゃらちゃらした感じで。ラジカセとか担ぎたい。

上司「ステイ」
部下「はやいですね」
上司「今まで君がやたらアゲアゲなテンションでなおかついちいち聞き取りにくい話し方をしている理由が今やっとわかった。」
部下「せっかく雰囲気乗せてるのにアゲアゲとか時代を感じさせる表現使わないでください。そうです、そうなんです。この方は」
上司「だが地域PRにラッパーは関係ないだろう」
部下「食い気味ですね」
上司「別にラップ調で推していくのもアリなのかもしれないが、それはどうやって推していくかであって何を推すかが決まった後の話なんじゃないかね。手段から考えていくと目的を見失いかねんぞ」
部下「急に正論ですね。そしてなぜラッパーだとわかったんですか」
上司「タイトルを見ればわかるだろう」
部下「え?」
上司「君もステイと言われたからと言って呼吸まで止めなくていいんだぞ」

ラッパーめちゃめちゃ苦しそうにしながらも許可を出されて解放される

上司「苦しかったか。すまないな。牛乳ならあるけど飲むか」

ラッパー牛乳を飲んでさらにむせる

上司「あぁ、一気飲みするから」
部下「牛乳薦める先輩も大概ですよ」
らぱ「おいしいですねこれ」
部下「いいから早く口拭いてください」
上司「お、わかるかね、私もこっちに赴任してきてからこの牛乳が忘れられなくてね、つい毎朝買ってしまうんだ」
部下「今午後ですけどその牛乳、兵器になってませんか」
上司「ところでなぜこのラッパーくんを呼んだのかね。推し方の話であるなら悪いがまた今度にしてもらって、まずは何をの部分から考えていかないと…」
部下「いえ、違います。これこそがまさに「何」の部分なんです」
上司「どういうことかね」
部下「覚えていますか。芸能界では労基を逸脱した齢一桁前後の管理職が話題となり、テレビではタイムスリップする医者のドラマが話題となり、アニメでは田舎で電脳媒体で世界を救う話が話題となった激動の2009年に一つの映画が誕生したことを」
上司「あぁー、あったね。私は直接見はしなかっただけどね、妻と娘が好きだったなぁ」
部下「なかなかコアなところを攻めてきますね奥方と娘さんは」
1/6

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム