welcome rain in a drought
〜旱天慈雨〜
「welcome rain in a drought 〜旱天慈雨〜」作:つむぎ日向
■登場人物
・A(後輩・男)
・B(先輩・女)
・C(社員・男)
・D(社員・女)
■本編
始。
夜の会社のオフィス。Bが仕事をしている所に、Aがやってくる。
Bがいる事に気が付き、声をかけるA。二人の他には誰もいない。
A 「お疲れ様です。残業ですか?」
B 「うん、ちょっとね。なかなか終わらなくて」
A 「遅くまで大変ですね」
B 「ちょうど雨も降ってるし、良い雨宿り。君はもう帰るとこ?」
A 「はい」
B 「そう。お疲れ」
B、Aにそう声をかけると、気にするでもなく仕事に戻る。
B 「えっと、こっちを先にやらないと」
B、忙しそうに捌けていく。
Aはそれを見ながらも、普通に帰ろうとする。
A 「さて、帰るか」
オフィスの電話が鳴り、足を止めるA。
A 「あっ。電話!電話鳴ってますよ!オフィスの電話が鳴ってます!」
そう声をかけるが、誰からも反応がない。
A 「電話鳴ってるって!オフィスの電話!出た方が良いですよ!誰か!ねぇ!誰か!!……誰か僕を助けて下さい!!」
よく分からない叫びをあげるA。だがやはり誰も来ない。
仕方がないので、電話に出るA。
A 「仕方ない……(電話に出る)もしもし。はい。あぁ〜たぶんそうです。……いや、たぶんっていうのは、絶対じゃないって意味で……はい、はい。納期?なるはや?でも、それは僕に言われても……いやだから僕は……分かりました」
A、電話を切る。
A 「困ったな。僕、ただのバイトの清掃員なのに……」
Aが困っていると、そこにBがやってくる。
B 「どうかした?今、なんか凄い声聞こえたけど。僕を助けて下さい!とか」
A 「あぁ!ちょうど良かった!今電話があって、「来週の納期を、なるはやでヨロシコ!」って」
B 「相手いつの人よ!……じゃあ、メモでも置いておいて」
A 「え?それだけで良いんですか?」
B 「だって、私も清掃のバイトなんだから、何もできないでしょ」
A 「そうですね」
納得したA、メモも書く。
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