猫の手を借りて
聖霊高校演劇部作 瀬戸山光子潤色
猫の手を借りて
・キャスト(10〜13)
優子(小学生)
優子(高校生)
幸子・・・優子の母
美鈴・・・幸子の母
ペットショップの店員・・・ミーを売るペットショップの店員。
ミー・・・メスの黒猫。優子たち一家の飼い猫。(キャストの人数に余裕がある場合は子猫。若猫、おばさん猫、老猫時代でキャストを分ける。)
ソラ・・・オス。ボス猫。
タマ・・・オス。物知り。
レオ・・・オス。イケメン。
モモ・・・メス。お嬢様。
さすらいのアコーディオン猫・・・シルクハットにタキシード。花道でアコーディオンを弾いている。
・衣装
猫はあまり猫っぽくしすぎない私服に猫耳とヒゲメイクとしっぽ。
・舞台配置
下手側洋間の居間、中央和室。上手側は公園になる。和室の壁と公園の壁リバーシブルに。背景は大黒。余裕があれば星球を公園部分の奥に吊る。
・照明
フォロースポットを最大で同時に2台使用。花道演技も花道当てではなくフォロースポットで。公園の壁に仕込みの街灯。
OP
「黒猫のタンゴ」と共に緞帳が上がる。下手花道さすらいのアコーディオン猫(以下「さす猫」と略す)が登場。花道にスポット。
さす猫 さあさあお立合い、これからお目にかけますは、猫と人間の物語!古くはエジプトナイルのほとり、ピラミッドの時代より、人間様の家に住み、時には神と崇められ、時には魔女の使いと呼ばれ、やれ怖いの可愛いの、言われ続けて数千年。今じゃ世の中キレイになって、捕まえようにもネズミもいない。ネズミとらなくなった今、猫はとります人間の、心をかじる悲しみを。
上手花道子猫の縫いぐるみにスポットライト。
さす猫 ここに生まれたこの子猫、生まれたはや2か月で、母の腕からもぎ取られ、ペットショップの檻の中。人間は猫を選べるが、猫は人間選べない。
上手花道美鈴が出てきて店員から子猫を受け取り立ち去る。上手スポットオフ。
さす猫 さて今まさに人間に買われていった黒い猫、ここから始まる黒猫と、人間の長いお付き合い。そんな一人と一匹の運命やいかに。どなた様も、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
下手花道スポットオフ。上手花道にスポットライト。ミーが元気に飛び出してくる。
ミー ニャッホー!人間のみんな、初めまして!ミーちゃんです!ほら、さっきの小さい猫だよ!皆も知っての通り、猫はニャッという間に成長するんだ!生まれてたった2か月でママから離されて、どんな人に買われるか不安だったけど、優しそうなおばあちゃんで一安心!ミーちゃんっていう、可愛い名前ももらったよ!それからもう4か月、生まれてまだ半年だけど、人間でいったらもう10歳くらいの立派なお子様猫!エッヘン!今日はおばあちゃんの家に新しい友達が来るんだって!楽しみだニャー。
ミーは舞台へ移動。BGMはFO。
1場 3人と1匹
明転。美鈴は「黒猫のタンゴ」を鼻歌で歌いながら掃除をしている。ミーはじゃれたりいたずらしたりしている。インターホンが鳴る。
美鈴 はいはい。
美鈴玄関に向かう。少しして美鈴が大きな荷物を持ち居間に戻る。幸子が抱っこっひもを付けて続く。疲れた様子。
美鈴 幸子、重いでしょ。まず優子ちゃんを降ろしなさい。
幸子 ありがとう。
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