夏祭幻想夜話
『夏祭幻想夜話』
【登場人物】2〜4名(男女不問2名+回想シーンで女0〜2名)
1.栞 :病弱な少女。浴衣姿。小学高学年〜中高生
2.勝平:田舎の少年。方言、なまり口調。栞と同年代
3.回想の祖母:6〜7歳。浴衣姿。(セリフ無し)
4.回想の祖母の母親:大人。浴衣姿。(セリフ無し)
※主人公たち2名は男女不問です。
この台本では「男1女1」としてますが、少年2人でも少女2人でも可能です。
変更する場合は名前も適宜変えてください。(お任せします)
※回想シーンは、祖母たちを登場させてもよいし、
登場させず栞の語りのみでもよいです。
※台本より役者が使いやすい地域の方言、なまりがあれば、そちらを使ってください。
【舞台】
夏祭りの会場となっている村の広場。中央にベンチ。
【上演時間】15分
【あらすじ】
「この村には古い言い伝えがあるの。
夏祭の夜、一番会いたい人に会えるって伝説が……」
盆踊りの太鼓の音、祭囃子、虫の声。
七夕の夜空の下、少年と少女の約束。
【本編】
(中央スポットライトに栞)
栞 「あなたには会いたい人っている?
それはもう決して会えない人なんだけど、もしも会えたらあなたならなんて言う?
この村には古い言い伝えがあるの。
夏祭の夜に一番会いたい人に会えるっていう伝説が……」
(暗転⇒明転。中央ベンチに座っている栞。勝平が入場してくる)
勝平「栞! お前、栞か?」
栞 「え? ああ、勝平。どうしたの、早いじゃない?
夏祭が始まるまでまだあるでしょ?」
勝平「ああ、おらは父ちゃの手伝いがあったけえ。
おめえこそ、どした? 一人か? 家の人は?」
栞 「いないよ。今日は一人」
勝平「一人で大丈夫なのけ? 最近ずいぶん具合悪くしてるっちゅうて聞いたぞ」
栞 「うん……実はね、今日も本当は寝てなくちゃダメだって言われてたんだ。
でも私はどうしても夏祭に来たくてさ。こっそり抜け出してきちゃったんだ」
勝平「ば、ばかけえ! 親御さん、心配してっぞ。すぐに帰ったほうがええ!」
栞 「う〜ん……じゃあ少しだけ! お祭りが始まったらすぐに帰るからさ。ね?」
勝平「だども……」
栞 「ね、お願い。それに今日はずいぶんと調子もいいの」
勝平「まあ……そういうことなら……」
栞 「よかった! 恩に着るよ、勝平!」
勝平「っだぐう。そんなに祭りが好きだか?
こんなもん毎年やっとう、つまらん祭りだで」
栞 「う〜ん、好きって言うのとは違うかな。でも、どうしても来たかったんだ」
勝平「なしてよ?」
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