指切狂想
公演時間:25〜30分

登場人物;4人(男1女3)全員高校生。制服姿。

シュン:男。ノイローゼ気味
メ グ:気が強く、怒りっぽい
赤 坂:おどおどしている。争い事が苦手
黒 崎:不気味。オカルトが好き

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(無人の部室。メグと赤坂が入ってくる)

メ グ「……(きょろきょろしながら入ってくる)」
赤 坂「お邪魔しまーす……」
メ グ「ねえ。誰もいないの?」
赤 坂「おかしいね。夜7時にオカルト研の部室って言ってたのに……」

(黒崎、その後ろにシュン、入場)

黒 崎「お待たせ」
赤 坂「ひっ!」(後ろから突然呼びかけられて驚く)
メ グ「シュン? あんたも黒崎さんに呼ばれたの?」
シュン「あ、ああ、俺は呼ばれたっていうか……」
黒 崎「待って。無駄話よりも先に用件を済ませましょう。もうこんな時間なんだし」
メ グ「こんな時間って、こんな時間に呼び出したのは、あんたでしょ?」
黒 崎「しかたないでしょ。そう決められているのよ。
    1つ。儀式は必ず日が暮れてから行わなければいけない」
メ グ「儀式?」
黒 崎「続けるわね。
    1つ。儀式は必ず3人以上で行わなければいけない。
    1つ。儀式のあいだ、決してコインから手を離してはいけない。
    1つ。こっくりさんの言うことは全て真実……決して疑ってはいけない。
    ……以上よ。何か質問はある?」
メ グ「…………あのさあ」
黒 崎「なに?」
メ グ「もしかしてだけど、私たちを呼び出した理由って、こっくりさんをやるため?」
黒 崎「そうよ」
メ グ「ばっかじゃないの!? こういうのはさ、小学生がやるもんでしょ?
    私たちもう高校生よ? つきあってられない」
赤 坂「私も……怖いのは、ちょっと苦手かな……」
メ グ「帰りましょ」
赤 坂「う、うん」
シュン「……待ってくれ」
メ グ「どうしたの?」
シュン「俺が黒崎に頼んだんだ。こっくりさんをやりたい。協力してくれって」
赤 坂「シュンくんが?」
メ グ「なんで……シュンって、オカルトとか好きだっけ?」
シュン「お前は心配じゃないのか? ……スズナのこと」
赤 坂「あ……」
メ グ「……もちろん、心配に決まってるよ。もう一週間だもんね……。
    でも、だからって……
    スズナが今どこにいるか、こっくりさんにきいてみようっていうの?」
シュン「そうだ」
メ グ「あのねえ」
シュン「もうこれしかないんだ! 繁華街、町はずれ、山、海……
    この一週間あらゆる場所を探した。でも見つからない……
    スズナはいま一人ぼっちで、きっとおびえている。俺たちに助けを求めてる。
    俺はスズナと約束したんだ。ずっとスズナと一緒にいるって……!
    それなのに、俺は何もできない。何も……何も……!」
メ グ「……(ため息)これ、どうしても三人以上必要なの?」
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