アイスクリームはすくわない
アイスクリームはすくわない
愛菓(あいか)……主人公、新人、女
先輩……愛菓の職場アイスクリーム屋「Call and stone」の先輩、男
店長……愛菓の職場アイスクリーム屋「Call and stone」の店長、指定なし
幸子……金髪ドリルな髪型のお嬢様っぽい人、隣の和菓子屋の店員、女
下っ端……統括軍と呼ばれる武力組織の下っ端、指定なし
アメーリア近藤……統括軍と呼ばれる武力組織所属、下っ端の上司、女

開演前、発声練習(歌)を始める愛菓(その中のどこかで「Amazing grace」を口ずさむ)
一度暗転して明転

愛菓「20XX年!度重なる地球温暖化の影響とかなんかいろいろで大体の動物は絶滅した!残った資源を奪い合うなんやかんやで人間も多分そのうち死ぬ!そんな世紀末感あふれる世の中で人びとにアイスと歌を届ける人々がいた!その名もCall and stone!」
愛菓「あぁあぁああぁぁぁあああ」
愛菓「あえいうえおあお、かけきくけこかこ」

上手から先輩入ってくる

先輩「お!おはよう愛菓」
愛菓「おはよーございまッす!先輩!」(体育会系な感じで)
先輩「今日も朝から気合入ってんな」
愛菓「もちろんですとも!ようやくあこがれだったアイスクリーム屋さんになれたんですから!手抜きなんてできません!」
先輩「おぉその意気だ。だけどもちろん歌だけじゃないよな!?俺が言ったことを覚えているか?」
愛菓「当然です!正確なコテさばき、情緒あふれる歌、そこに真のアイスは宿ります!」
先輩「その通り!わが社の社訓は!」
愛菓&先輩「愛亡き者にアイスは作れぬ!愛あるものは愛なきものへ!アイスクリームはママの味!」
先輩「よし、素振り行くぞ!」
愛菓「はい!よろしくお願いします」
コテを構える愛菓と先輩
先輩「はじめ!」
愛菓「うおおおおおおおお!」
コテを振り回す愛菓
先輩「力みすぎだ!もっと力を抜け!」
愛菓「はい!」
先輩「こんどは力を抜きすぎだ能なしがぁ!」
愛菓「はい!」
先輩「違うもっとコンパクトにだ!アイスを溶かす気かぁ!」
愛菓「すいません!」
先輩「そうじゃない!もっとアイスの呼吸を感じるんだよ!」
愛菓「はい!」
先輩「お、いいかんじじゃなぁい?もっとそこをキュッとね、いいねいいねぇノってきたねぇ」(オネエ風に)
愛菓「ありがとうございます!」
先輩「はい、そのまま発声いれてぇ!」
愛菓「アメンボ赤いなあいうえお!柿の木、栗の木、かきくけこ!」
先輩「いいよそのままスパーリング!」
ボクシングみたいにコテを繰り出す愛菓
愛菓「アメンボ赤いなあいうえお!柿の木、栗の木、かきくけこ!」
先輩「しゃあぁぁ!かかってこいやぁ!」
お互いにボクシングのようにコテを繰り出しあう愛菓と先輩
愛菓&先輩「アメンボ赤いなあいうえお!柿の木、栗の木かきくけこ!ささげにすをかけさしすせそ!」

流れるままに互いにコテを放り投げこぶしを放つ

愛菓&先輩「こいつで最後だ、たちつてと!!」

両者ぴたりと止まる。

愛菓「さすが、先輩ですね……。」
先輩「愛菓こそ腕を上げたな」

お互い構えを解く
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