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RPG保険会社

「RPG保険会社」

□登場人物□
　　・中本勇（なかもといさむ）♂…一人暮らしの独身男性。
　　・白石ミミ（しらいしみみ）♀…RPG保険会社のセールスウーマン。
　　・武藤翔（むとうしょう）♂…以前突如として勇者に抜擢され、その際RPG保険に助けられた。

Ｌ.Ｏ

SE：ピンポーン

中本：はーい。

SE：ガチャ

白石：こんにちはー、保険会社の者ですが。
中本：やべ、めんどくさいやつだ。しくじったぁ…。
白石：ちょっとお時間よろしいでしょうか？
中本：いや、あの…俺はそういうのいいんで。
白石：お話だけでも…。
中本：勘弁してください。さよなら。
白石：ちょちょちょちょっと待ってください！せめて私どもが何の保険会社かだけでも聞いてください！
中本：えぇー…。どうせ自動車保険だろ？
白石：いいえ。
中本：え？んじゃあ…生命保険？いやいや、俺そんな年じゃなくね？
白石：勿論違います。
中本：えー？んーと…あ、火災保険か！
白石：いいえ。
中本：何だよ…。あーもういいよ、答え言ってよ。
白石：おや？もういいのですか？
中本：何楽しんでんの。
白石：いいのですね？
中本：いいっつの！早く言えよ！
白石：では…。

白石、中本に名刺を渡す。

白石：私、RPG保険の白石ミミと申します。
中本：白石…さん。どうも。
白石：それでは、当保険の説明をさせて頂きます。
中本：おっとー？有無を言わさず説明だとー？
白石：えっと…お名前を教えて頂けますか？
中本：え…あの、契約するつもりないんですけど。
白石：とんでもございません！ただ聞いてるだけです。お名前は？
中本：…中本、ですけど。
白石：それは表札を見ましたので。お名前は？
中本：（ムッとした様子で）……勇です。
白石：おぉ！まさに相応しい名前ですね！
中本：…何に！？
白石：勇者です！

間。

中本：ごめんなさい。帰って。
白石：え？まだ何もお話してませんけど…。
中本：いきなり押しかけてきて初対面の人に勇者に相応しいって言わないから！いい大人が！
白石：そこが我が社のキーポイントなのです！いいから聞いてください！
中本：意味わかんない！怖いよ！
白石：中本様は子供の頃、RPGで遊んだりしませんでしたか？
中本：RPG？

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