悪い奴らにご注意を!!
健二、真人が舞台に登場。歩いている。
真人 「いよいよ健二も結婚か」
健二 「あぁ、いよいよだ。なんだか憂鬱だよ。」
真人 「さみしくなるね・・・。ところで式場はもう決まったの?」
健二 「ハッピーウェディングホテルに決めてある。この後、佳歩と一緒に初めての打ち合わせさ」
真人 「おっ、結構リッチなホテルじゃん。ドキドキだね。」
健二 「別の意味でドキドキなんだ・・・。」
真人 「あっ!!そこってひょっとして・・・。」
健二 「そうなんだ。俺は反対したんだ。何があってもあそこだけは行きたくないって佳歩を説得したんだぜ。でも駄目だった。どうしてって聞かれても答えようないしな。佳歩は絶対ハッピーウェディングホテルがいいって言うし。」
真人 「・・・・。修羅場だな。人生最悪の日だな。」
健二 「ほんとだよ。でもさ。ほら、どうだ。この帽子とサングラス。」
健二、サングラスと帽子を身に着ける。
真人 「その恰好なら里香さんにばれないかもな。」
健二 「だろ!?これで今日を乗り切るよ。」
真人 「でも、もし里香さんにバレたらどうするんだ。」
健二 「大丈夫。里香は接客に対するプロ意識を持ってる。癇癪を起すような馬鹿な女じゃない。」
真人 「里香さんが今日欠勤だったらいいのにな。」
健二 「それ、俺も考えた。風邪引いて仕事休んでるとかさ。」
間
真人 「乗り越えろよ。そしてちゃんと俺の所に帰ってこいよ。待ってるからな。」
健二 「あぁ、乗り越えてみせるよ。真人ちゃん、ありがとう。俺もう行くわ。」
真人 「今日の顛末聞かせてね。」
健二 「あぁ、じゃぁまた。バイバイ。」
真人 「バイバイ。」
健二、捌ける。
真人 「心配だな。健二君おっちょこちょいな所あるからな。」
真人、舞台をうろちょろする。
真人 「そうだ。隠れて様子を見に行こう。」
真人、捌ける
式場(ハッピーウェディングホテル)打ち合わせ室
里香、優子、マコの3人が椅子に座っている。外から真人が様子を覗っている。
優子 「いい?今日で私たちの今後の生活が決まるのよ。」
マコ 「いよいよ、今日だね。この日を待ってたわ。気合入れていかなきゃ。」
里香 「いいこと。ミスは許されない仕事よ。打ち合わせ通りに動くからね。予定外の事が起きた時は、それぞれの判断で動くこと。」
マコ 「はい。里香さん。」
里香 「じゃぁ、準備にかかりましょ。」
里香、優子、マコ捌ける。真人がそっと入ってくる。真人はビデオカメラを取り出す。
真人 「お邪魔しまーす。(小声)どこか隠し撮りできる場所は・・・っと。」
里香、舞台袖から声を飛ばす。
里香 「マコちゃん、あの資料を用意しておいて頂戴。」
マコ 「はーい。」
真人 「やべっ。ここにひとまず隠れよう。健二君、陰から見守ってるよ。」
真人、ボックスに隠れる。
健二、佳歩登場。扉の前で立つ。
佳歩 「健二君、いよいよだね。私ドキドキしてきちゃった。」
健二 「俺もドキドキするよ。・・・・違う意味で(ボソッと)。」
佳歩 「何か言った?」
健二 「ううん。何でもないよ。佳歩、行こうか。」
健二、佳歩、店の中へ。
佳歩 「こんにちはー。」
健二 「こんにちは。(ボソッと)。」
奥から里香が出てくる。健二思い切り里香と視線を逸らす。
里香 「いらっしゃいませ。本日ご予約の澤田健二様と森下佳歩様でらっしゃいますか?」
佳歩 「はい。」
健二 「やばい。フルネームはやばい。」
里香 「どうかされましたか?」
健二 「い、いや何でも・・・。」
里香 「ハッピーウェディングホテルにようこそ。式場でのイベントやサプライズ。細かい段取りなどについて担当させていただく香取里香と申します。」
佳歩 「よろしくお願いしまーす。ほら、健二君も。」
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