昔話でもしましょ
昔話でもしましょ
登場人物
藤香(ふじこ) OL。女子高生当時、恋に忙しく、甘いものも好きなハイテンションガール
七美子(なみこ) OL。女子高生時、台本を書いていたりする、たまたまスイーツを持っていたクールガール
あらすじ。
学校の小休憩の一幕。
藤香と七美子は以前のバレンタインの話になる、一人は先輩にチョコレートを渡し、もう一人はラッピングされたものを持っていた、というが…。
そんなことを話しながらバーでの夜は更けていく。
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〇学校の小休憩(午後)
七美子と藤香は席が前後関係である。
前の席の藤香が振り返り、話しかける
藤香「ようやく数学の課題が終わったよー…あれ、何食べてるの?」
七美子「購買で売ってた、一口ドーナツ」
ふーん、といった感じで藤香が七美子のドーナツの袋に手を突っ込んでいる。
七美子「…ちょっと?」
藤香「なにー?」
七美子「なに?じゃ無くて、なんでドーナツの袋の中に、アンタの手が入ってるの?」
藤香「一個くらいいいじゃーん。だって全部食べたら太るよー?」
七美子「誰が、一気に食べるって言ったのよ」
そのまま二個目のドーナツに手を伸ばす藤香
七美子「…コラ、こう言われている間に、2つ目食うな」
藤香「 いや、お説教してたらバレないかなーって思ったんだけど…ね?」
七美子「 30cmも無い距離でバレない訳、無いでしょが…今までの、一個30円ね」
藤香「マジか…財布どこだっけ」
ガサゴソとカバンを漁る藤香。それを見てクスクス笑う七美子
七美子「 冗談だし…」
藤香「そういう事か…全く、見つからなかったら「私の素敵スマイルで許して」って言おうかと」
七美子「 いらないから」
藤香「 冷たい!」
被害者面をする藤香、冷たい視線の七美子
直後、思い出したように七美子が話し始める
七美子「 …そういえば、この前のバレンタイン、どうだったの?」
藤香「 ふぇ?何が?」
七美子「いや「何が?」じゃなくて、この前のバレンタインに、部活の先輩にチョコレートあげたんでしょ?どうだったの?あんなに楽しそうだったったのに、ずいぶん大人しいなと思ってさ」
表情が曇っていく藤香
藤香「 いやー…本当にいい人です。うん、あの人はいい人。ちゃんとデートの時は私の服とか褒めてくれるし…でもなぁ、うーんと、んーと…いわゆる、だめんず、と言いますか…」
七美子「 顔は良いけど、「だめんず」さんだったの?」
藤香「…だって、ご飯に行っても料理決めるの遅いし、服もセンスないし…だってこの前なんか服の組み合わせが柄物と柄物でなんか、こうね。げんなり?」
七美子「それだけで「だめんず」ってアンタ、よく言ったね。… でも其処はアンタがカバーしてんでしょ?」
藤香「いやぁ、子供じゃないんだから、って話よ。いつも部活の時は、テキパキ決めるんだけどなぁ。」
七美子「とはいえ、アンタたち、付き合い初めてまだそんなに経ってないんでしょ?そんで、今後、どういう人なのか分かっていくんでしょ?…頑張れ、ひっそりと応援してる」
藤香「……逃げたな?」
七美子「 恋愛話は、手に負えないの」
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