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コンビニ閑暇

「コンビニ閑暇」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作　菅原悠人

登場人物
　・佐藤……女子高生
　・吉田……男子大学生

　コンビニ、入店音

佐藤「ありがとうございました〜、またお越しくださいませ〜」
吉田「佐藤さん」
佐藤「はい」
吉田「レジ点検終わった？」
佐藤「とっくに」
吉田「そう、雑貨は？」
佐藤「終わってますよ」
吉田「そっか」
佐藤「吉田さんが終わらせたんですよ」
吉田「そうだっけ？」
佐藤「出勤したときにやってました」
吉田「え、記憶にないな」
佐藤「雑貨の記入見ればいいですよ」
吉田「じゃあ、見てみますか」

　ガサガサ、音

吉田「えっと、どこにあるんだっけ？」
佐藤「レジ横で見ましたけど」
吉田「レジ横？どっちの？」
佐藤「１レジの方です」
吉田「１レジね。ああ、あったあった。えっと……あ、俺の名前だ」
佐藤「当たり前です」
吉田「おかしいな、やった記憶無いんだけど」
佐藤「ほら、大量のシャーペンの芯補充したでしょ」
吉田「ああ、確かに補充したわ。ありがとう、思い出した」
佐藤「いえ」
吉田「てかよく見てたね」
佐藤「偶然ですよ」
吉田「そう、じゃあ仕事は全部終わってるんだ」
佐藤「そうですね、後は勤務時間が終わるのを待つだけです」
吉田「要は暇ってことだね」
佐藤「暇じゃないですよ、こうしてお客さんが来るのを待っているんですから」
吉田「いや、来ないじゃん」
佐藤「これから来るんですよ」
吉田「これからっていつ？５分後？１０分後？」
佐藤「知りませんよ」
吉田「俺さ、コンビニってもっと忙しいと思ってたよ」
佐藤「実際忙しいじゃないですか、レジに、品出しに、揚げ物、おでん」
吉田「それってさ、午前とか午後の人がほぼ終わらせんじゃん」
佐藤「レジは無理ですよ」
吉田「でも、お客さん少ないじゃん」
佐藤「まあ、そうですけど」
吉田「俺たちはさ、ただ補充したのが減るのを見てるだけ」
佐藤「楽で、良いじゃないですか」
吉田「ただ立ってる方が疲れるでしょ」
佐藤「疲れませんね」
吉田「変わってるね」
佐藤「動きたくありませんから」
吉田「そういえば、佐藤さん今日レジから動いてないね」

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