あたためて
「あたためて」
水月あかり
登場人物
北尾 雪華(きたおせつか)……高3→大1
風間 柊人(かざましゅうと)……高3→大1、雪華の彼氏
冬、公園
ベンチがある
デートの帰り道
柊人、やってくる。
雪華、その後から来る
雪華、ふと立ち止まり、柊人に声をかける
雪華 ……ねえ!
柊人、立ち止まり振り返る
柊人 何?
雪華 んっ!
と、片手を突き出す
柊人 ……なんだよ。
雪華 んっ!
柊人 言いたいことあるならはっきり言えって。お前の悪いところだぞ。
雪華 女の子の気持ちを汲みとれない、鈍感すぎるところが風間くんの悪いところです。
柊人 うっせ。
雪華 ……手!
柊人 は?
雪華 手ー!
柊人 手が何だって。
雪華 鈍すぎ!馬鹿!
柊人 お前な、馬鹿っていう方が馬鹿なんだぞ。
雪華 小学生みたいなこと言うな。
柊人 あー、もう。分かったよ。
柊人、雪華の手を握る
雪華 分かってんじゃん。
柊人 ……恥ずかしいんだよ。
雪華 いいじゃん。
柊人 てか、お前、手冷たい。
雪華 しょうがないでしょ。冬なんだし。風間くんがあっためてよ。
雪華、柊人に寄り添う
柊人 ……近いよ。
雪華 いいじゃん。
柊人 あー……受験終わったら、ちょっと遠出もしてみるか。
雪華 進路決まったらじゃなくて?
柊人 どういう意味?
雪華 浪人するかもしれないじゃん。
柊人 誰が。
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