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typhoon

「typhoon」　　作：つむぎ日向

■登場人物（人数：５人）
・部長（地震レンジャー)
・副部長（怪人イッパンジン）
・部員１（雷レンジャー）
・部員２（火事レンジャー）
・部員３（おやじレンジャー・台風レンジャー）

■本編

　　　　開幕
　　　　暗闇の中、映画研究部部長の声が聞こえる。

部長　「映画研究部三ヶ条！一つ！」

　　　　明転。
　　　　映画研究部の部室。
　　　　部員たちが部活の三ヶ条を、声を揃えて言う。

全員　「エンドロールが終わるまで席は立たない！」
部長　「一つ！」
全員　「ジュースは音を立てて飲まない！」
部長　「一つ！」
全員　「ポップコーンはキャラメル味！」
部長　「一つ！」
全員　「恋人と観ている奴は全員、（隣の人と手を合わせて）バルス！」
部長　「良し！」

　　　　副部長、手を上げて部長に問う。

副部長「部長、一つ良いですか？」
部長　「なんだ、副部長」
副部長「ずっと気になっていたんですが、三ヶ条なのに四つあります」
部長　「そんなことは、どうでも良い！」

　　　　部長、高らかに言う。

部長　「それよりも我々には大事なことがある」
副部長「大事なこと？」

　　　　ざわつく部員たち。

部長　「我々の部員数は、ここに集まっている三年生の五人のみ。このままでは、この楠高校映画研究部は廃部になってしまう！そこで私は、部活存続のため考えた！……映画を撮ろう！」
副部長「映画？映画って、どんなのです？」
部長　「戦隊ヒーローだ！」
副部長「えぇ〜？特撮ですか？」
部長　「なにを言っている！特撮は日本映画の歴史において、切っても切り離せないもの！それをバカにするとは……貴様、本当は憎きライバル、演劇部のスパイか！？」
副部長「違いますよ！」

　　　　部員３、正面を指差して叫ぶ。

部員３「部長！向こうの校舎から、演劇部の奴らがこっちを見ています！」
部長　「なに！？」

　　　　部長、前に出て窓を開ける仕草をし、向こう側の校舎に叫ぶ。

部長　「何見てんだぁ！見せもんじゃねぇぞ！」

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