本ベルを鳴らせ!
〜演劇バカ、 4週間と3日〜
□登場人物□
・神田 利久 (かんだ としひさ)・・・演劇部副部長(1年)自称「天才脚本家」 ナルシスト
・一之瀬 雪 (いちのせ ゆき)・・・演劇部部長(1年)神田とは幼馴染 神田のことを「リク」と呼ぶ
・藤野 凛 (ふじの りん)・・・演劇部員(1年)雪とは仲が良い 神田とは犬猿の仲
・菅内 美子 (すがうち よしこ)・・・演劇部顧問 国語科 神田の苦手な先生
ダークオープン
神「安心しろ、お前らァ!!」
中央スポット
神田 後ろを向いて立っている
神「この俺様が来たからには、もうこの部を落ちこぼれ部とは言わせねェ!天から舞い降りし天才脚本家・・・」
神田 振り返る
神「神田利久様が、君臨したからにはなァッ!!作り上げてみせるぜ・・・泣く子も黙る超大作をッ!!」
神田 拳を振り上げる
藤「・・・はいッ!ありがとうございました〜」
明転 演劇部部室
一之瀬 呆れて立っている 藤野 座ってスマホをいじっている
藤「以上、ナルシスト神田君でした〜」
一「あんた・・・まだ何にも書いてないくせによくそんな大口叩けるわね」
藤「絶望過ぎて泣く子も黙る〜」
神「・・・うるせェな!じゃあお前ら書けんのかッ!?ああ!?」
神田 一之瀬に詰め寄る 一之瀬 余裕
一「別に書くけど?あんたがどーしても書きたいって言うから書かせてんじゃない」
神田 悔しげ
一「っていうか、確かに人数少なくて実績もないよ?だって一年生だけだもん。だけど、落ちこぼれてなんてないから」
藤「あんたの書きようによっては、落ちこぼれる可能性もあるけどね〜」
神「何〜!!」
一之瀬 神田と藤野の言い合いを制して
一「とにかく!大会まで時間無いんだから、今週中に出来上がんないようだったら、あたし書くから。無理なら無理で、早めに辞退したほうがいいわよ」
神「チッ!」
一「じゃあ凛、基礎練しに行きましょ」
藤「はーい♪」
藤野 スマホをしまって 一之瀬のところへ
一「いいリク?あんたが集中して考えたいって言うから、この一之瀬部長が『特別に』基礎練やらなくていいって言ってんだからね。分かってんの?」
神「ハイハイ」
藤「赤ちゃんか」
神田 藤野を睨む 藤野 そっぽを向く
一「じゃ」
一之瀬 藤野 はける
神田 座る
神「はァ〜あ!俺だって別にやる気無い訳じゃあねェんだぜ?書く気は誰よりもあんだ!・・・ただ、今は思いつかないだけで・・・」
神田 立ち上がる
神「思いつくときは、まるで噴水のようにアイデアが湧いてくる!それがたとえテスト期間中だろうが関係ねェ!何かにとりつかれたように俺は脚本家となり、手はペンを握り、紙の上を走る!一日中演劇のことで頭がいっぱいになるんだ!だから俺は演劇が・・・」
菅内 神田の言葉を遮りながら入ってくる
菅「それが赤点の言い訳ですか?」
神田 振り返る 菅内 指し棒を手の上で打っている
神「す!菅内!・・・先生・・・」
菅「もっとマシな言い訳は思いつかないのですか、神田君?」
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