ボージョレヌーボ
11月? 「ボージョレヌーボ」
この物語はフィクションです。実際の人物・団体とは一切関係ありません。 

応接間
やたらひげの長い男と外交官

ワインのポスターを持って座ってるひげの長い男
膨大な量のワインを持たされている外交官


ひげ「今年もこの時期がやってきたねぇ」
外「えぇ」
ひげ「今年のフランスは天気が荒れに荒れて大変だった」
外「そうだったんですか」
ひげ「だが心配するな。今年のボージョレもあの傑作と呼ばれた一昨年の再来と呼んでも過言ではないほどの芳醇さを備えた作品に仕上がったのだから」
外「超芳醇。ということでしょうか」
ひげ「はぁ?」
外「いえ、なんでもありません」
ひげ「とにかく、これだけのワインができたのも君たち日本人のおかげだよ。ありがとう」
外「・・・来年からはボージョレだけではなく違う物品の貿易の検討はいかがでしょうか」
ひげ「またそのはなしか。くどいぞ、われわれフランス側にワイン以外に何をもって日本との貿易を行うというのだ! 言え、言ってみろ」
外「いや、なにもワイン以外にもあると思いますよ。以前は医薬品や自動車などの工業製品があったじゃないですか」
ひげ「そんなことワシの知ったことではない。だいたいそんなたいそうなものを日本に回すほどの量があると思うのか、今ヨーロッパが混迷の危機にさらされていることを考えれば
少しくらいワインの比率が高くなっても不思議ではなかろうが」
外「それにしてもフランスからの輸入品の9割2分がボージョレヌーボというのは行き過ぎた不思議なのでは・・・」
ひげ「くどい!まったく、だから日本人は嫌いなのだ。日仏の良好な関係に水を差す気か!仏の顔も三度。またワシに恥をかかせたら次はないと思えよ」

ひげ、怒りながらはける。
様子を見計らって部下が入ってくる。

外「あぁ疲れた。しかしよくもまぁ今年も偉そうにやってきたもんだよ。」
部「お疲れ様でした。それで今回はどうなりましたか」
外「今回も前回と同じようにボージョレワインを売りつけられたよ」
部「今回もですか?」
外「責めてくれるなよ、相手はフランスの首相だぞ。機嫌を損ねて国際問題に発展なんかしたらたまったもんじゃない」
部「すいません」
外「だいたいいくら俺が外交官だからってこんな仕事もしなくちゃいけないのか。外交官とはもっとクールな仕事ではないのか」
部「日仏の貿易協定すべての仕事を取り仕切るのはクールな仕事のように感じますが・・・」
外「首相にぺこぺこして、ただはいはいうなずく仕事をクールとは呼ばない」
部「それで、このワインはどうしますか」
外「当然、売るしかあるまいな。こんなとこにあってもただただ古くなっていくだけだからな」

 場所が変わって会議室

フランス国旗をあしらった部下と広告代理店の担当者。
 
担「今年もボジョレーヌーボですか」
部「あぁ今年もだ。あとボジョレーではなくボージョレだ間違えるな」
担「あと何年で終わるんですか?」
部「今回の大規模な量を鑑みれば、来年頃には元の市場規模に戻る」
担「じゃあこの仕事も今年で終わりですか」
部「そういうことだ。で、終わらせる策はあるのか?」
担「まぁそれを考えるのが私の仕事ですから。それでは山田君、例のものを」

具体案が書いてあるボードを用意する庶民
具体案が思いつく限り乱雑に書いてある(お好みで書いてください)

担「3つの方向性を視野に検討させていただきました
 1つめに11月第三週目にボジョレーヌーボを飲まなければならない意義」
 2つめに商品の品質についての解説
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