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for_me

for_me(フォルム)

渡里　英治(わたりえいじ)……（１６）高校２年生。彩乃にフラれる。
稲葉　雪乃(いなばゆきの)……（１４）中学２年生、彩乃と兼ね役
稲葉　彩乃(いなばあやの)……（１６）高校１年生、英治の後輩、雪乃と兼ね役
占い師……ボロ布をまとった胡散臭い男
中川　哲生（なかがわてつき）……（１７）英治の親友。あだ名はてっちゃん
横田　榊(よこたさかき)……（１６）英治の親友。あだ名はさかっきー
横田　八千代(よこたやちよ)……（３３）榊の母。いい人
稲葉　一乃(いなばかずの)……(３２)歳の割におばちゃん感がすごい。少ししか出ません。

※この作品は特定の個人、団体、思想を誹謗中傷するものではありません

〇学校
英治と彩乃が向かい合っている。
英治「好きです、付き合ってください」
彩乃「ごめんなさい」
英治「即答ですね」
彩乃「即答ですよ」
英治「そんなに嫌？」
彩乃「そんなことはないんですけど」
英治「……顔？」
彩乃「……」
英治「……性格？」
彩乃「……」
英治「……どっちも？」
彩乃「……」
英治の腕を見ている彩乃。
英治「……あ、そっか……えっと、うん。ごめん。それじゃ」
　　　笑顔を取り繕う英治。
彩乃「先輩」
　　　強い口調の彩乃。
英治「はい」
彩乃「怒りますよ。私がそんなの気にする人間だと思いますか？」
英治「いや、そんなこと言ったって―」
彩乃「思いますか？」
英治「思いません」
彩乃「よろしい。……むしろそう思わせてしまったんなら謝りますよ……。」
英治「ごめん。今のは僕が悪かった。でも……じゃあなんで僕は断られたんでしょう？即答で。」
彩乃「考えなかったので」
英治「そんなに嫌ですか！？」
彩乃「はい」
英治「マジかぁ」
彩乃「嘘ですよ」
英治「よかったぁ……」
彩乃「別に先輩のことがどうこうとかじゃなくてですね。今うちドタバタしてるので仮に付き合ったとして全く時間割けないんですよ。暇そうな先輩と違って。なので考えるのも無駄です」
英治「うちって稲葉神社？別に忙しくて会えなくてもそんなの気にしないよ？」
彩乃「私が気にします。相手に失礼じゃないですかそんなの」
英治「……じゃあ家のことは親御さんに任せて」
彩乃「父が蒸発しているのでそういうわけにも」
英治「あ、そうだったね……ごめん」
彩乃「いえ、気になさらず、まあそういうわけで無理なんですよ」
英治「はぁ……君は本当に変なところ真面目だなぁ」
彩乃「こういうことで人を傷つけたくないだけですよ」
英治「まぁそういうところがいいんだけどさ」
彩乃「先輩はそういうところが良くないと思います」
英治「どういうこと？」
彩乃「さぁ？」
　　　間。

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